研究課題/領域番号 |
22K15997
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
影本 開三 徳島大学, 病院, 特任助教 (60933356)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 大腸癌 / オルガノイド / メチレーションアレイ |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌は左右の局在により、薬剤に対する感受性や予後が異なることが報告されているが、その原因や機序の詳細は不明である。本研究では、まず左側及び右側大腸癌よりオルガノイドを樹立し、左右大腸癌幹細胞の増殖速度、薬剤感受性、転移・浸潤能、染色体異常等を比較検討する。また、リン酸化プロテインアレイを用い、両者の細胞増殖シグナル経路、薬剤感受性等の違いと機序を明らかにする。さらに、左右大腸癌オルガノイドの全ゲノムシークエンスおよびメチレーションアレイ解析を行い、左右大腸癌の分子生物学的な違いを統合的に解析する。左右大腸癌の分子生物学的差異の解明は、今後の大腸癌治療の個別化や層別化に直接繋がると考える。
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研究成果の概要 |
本研究では、左右大腸癌の分子生物学的差異の解明を目的とした。右側大腸癌オルガノイドは左側と比較して細胞増殖活性, 細胞浸潤能が有意に高いことが示された。また、mRNAの発現解析では、右側大腸癌オルガノイドでは側よりTIMP1が有意に高発現をしており、TIMP1のタンパク質発現を確認したところ、左側大腸癌においてTIMP1蛋白はほとんど検出できなかったのに対して、右側大腸癌ではいずれの症例においても高発現が確認された。TIMP1はFAK/Akt pathwayやMAPK pathwayを介し、腫瘍形成に関与することが報告されており、右側大腸癌の増殖、浸潤ひいては予後への関与が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
右側大腸癌は左側に比較し予後不良であり、左右大腸癌の分子生物学的差異の解明は大きな課題である。本研究では右側大腸癌オルガノイドの細胞増殖能, 浸潤能が高いこと、また、右側大腸癌オルガノイドではTIMP1が高発現していることを見出した。今後は、オルガノイドを用いてin vivo, invitroで活性化パスウェイに対する薬剤感受性を評価する事で、治療困難とされる右側大腸癌の薬剤選択や治療薬開発につながると考えられる。
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