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炎症性腸疾患における生物学的製剤の腸管組織中濃度の測定法開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K16007
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

井原 聡三郎  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60770039)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード炎症性腸疾患 / 生物学的製剤 / 薬物濃度モニタリング
研究開始時の研究の概要

炎症性腸疾患は難病指定疾患であり、病態の解明や治療法の進歩が期待されている。炎症性腸疾患の治療薬を適正に使用するために、治療薬の体内における濃度を正確に把握することが一つの重要な鍵となる。そこで本研究は質量分析法を用いて、炎症性腸疾患治療患者における体内の治療薬の濃度を正確に測定する方法を検討する。本研究により炎症性腸疾患治療における薬物動態の把握に大きく貢献できると考えている。

研究実績の概要

炎症性腸疾患(IBD)の治療薬として生物学的製剤が多数承認されている。各製剤を適正に使用する上で、血中濃度モニタリングのみならず腸管や糞便などIBDの炎症と深く関係する部位の薬物動態の把握が重要となる。しかし、従来のELISA法では腸や糞便中の微量な生物学的製剤の検出がしばしば困難となる。そこで本研究は、LC-MS/MSによる質量分析法を基に感度や精度を上げる技術的工夫を加え、組織中の生物学的製剤の濃度測定法を確立する。さらに、実際に本測定法を用いて、製剤治療中IBD患者の大腸組織中の製剤濃度とIBD治療効果との関連を評価する。本年度は、LC-MS/MSによる質量分析法を用いた腸管組織や糞便中の生物学的製剤の濃度測定を確立するための検証実験を行った。製剤濃度の標準曲線を作成するため、未治療マウスの腸管組織および糞便から蛋白を抽出し、その蛋白抽出液に濃度既知の生物学的製剤(IFX、VDZ、UST)を添加した。さらにトリプシンによる蛋白分解を経てLC-MS/MSにてペプチド分析を行い、各製剤の特異的ペプチドを同定し定量した。特に、腸管組織および糞便中からの蛋白抽出法の検討を行った。ホモジナイザー(Mini-beadbeater-96, BioSpec)と界面活性剤を用いた物理的破砕/溶解による蛋白抽出を検討した。4種類の界面活性剤(Guanidine hydrochloride; GuHCl,triton X-100, Sodium dodecyl sulfate,Deoxycholate)各々について蛋白抽出効率を検討した。現時点の検討では6M GuHClと1% triton X-100の効率が良いことが再現性を持って確認された。本研究の課題である免疫沈降法の併用において、界面活性剤による蛋白質変性が免疫沈降法の回収効率を下げる可能性がある。変性作用の強いGuHClを用いた後に透析法で変性解除するか、非変性のtriton X-100を用いるかなどを本研究で検討し、最適な蛋白抽出法を現在検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に引き続いて本年度はLC-MS/MSによる質量分析法を用いた腸管組織や糞便中の生物学的製剤の濃度測定を確立するための検証実験を行った。製剤濃度の標準曲線を作成するため、未治療マウスの腸管組織および糞便から蛋白を抽出し、その蛋白抽出液に濃度既知の生物学的製剤(IFX、VDZ、UST)を添加した。さらにトリプシンによる蛋白分解を経てLC-MS/MSにてペプチド分析を行い、各製剤の特異的ペプチドを同定し定量した。特に、腸管組織および糞便中からの蛋白抽出法の検討を行った。ホモジナイザー(Mini-beadbeater-96, BioSpec)と界面活性剤を用いた物理的破砕/溶解による蛋白抽出を検討した。4種類の界面活性剤(Guanidine hydrochloride; GuHCl,triton X-100, Sodium dodecyl sulfate, Deoxycholate)各々について蛋白抽出効率を検討した。現時点の検討では6M GuHClと1%triton X-100の効率が良いことが再現性を持って確認された。

今後の研究の推進方策

本研究の課題である免疫沈降法の併用において、界面活性剤による蛋白質変性が免疫沈降法の回収効率を下げる可能性がある。変性作用の強いGuHClを用いた後に透析法で変性解除するか、非変性のtriton X-100を用いるかなどを本研究で検討し、最適な蛋白抽出法を現在検討中である。また、腸管組織および糞便中の生物学的製剤(IFX, VDZ, UST)の薬物濃度をLC-MS/MSによる質量分析法を用いて測定するにあたり、今後は以下の課題を検討予定であり、準備を進めている。
1. 内部標準の工夫(特異的ペプチドを免疫グロブリンに付加する方法)
2. 検出感度を向上させる工夫(免疫沈降法による生物学的製剤の濃縮など)
3. 各生物学的製剤に特異的なペプチドの同定
4. 本測定法を用いた生物学的製剤の組織中濃度とIBD治療効果との関連の解析

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Upper gastrointestinal involvement of Behcet's disease in Japan: endoscopic findings and clinical features2024

    • 著者名/発表者名
      Murakami Keita、Arai Junya、Ihara Sozaburo、Tsuchida Yumi、Shoda Hirofumi、Tsuboi Mayo、Kurokawa Ken、Shiomi Chihiro、Suzuki Nobumi、Hayakawa Yoku、Fujio Keishi、Fujishiro Mitsuhiro
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology and Hepatology

      巻: 39 号: 4 ページ: 708-715

    • DOI

      10.1111/jgh.16479

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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