研究課題/領域番号 |
22K16008
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大原 正嗣 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (40930649)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | サルコペニア / 肝硬変 / miRNA / 肝筋連関 / 慢性肝疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
肝硬変・肝がん患者において、サルコペニア合併は予後不良因子となり、肝疾患合併サルコペニアの発症機序の解明、治療方法の開発は急務である。更に、肝線維化の改善は肝硬変の予後を改善させるが、肝筋連関を介したサルコペニアへの影響は未だ不明である。 我々は、肝炎改善後においてもサルコペニアを進展させ得る、血中エクソソーム中miRNAを同定した。本研究は、肝線維化とともに筋肉に与える影響についての基礎的検討を行い、肝筋連関に着目した新規治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
慢性肝疾患は二次性サルコペニアの主因であり、特に肝硬変・肝がん患者においてサルコペニアの合併は予後不良因子となるため、肝疾患合併サルコペニアの発症メカニズム・治療方法の開発は急務である。また肝線維化の改善は肝機能の改善をもたらし予後を延長させるが、肝筋連関を介したサルコペニアへの影響は未だ不明である。これまで、C型肝炎患者に対するインターフェロンフリー治療によりSVRが得られた症例のうち、筋肉量が改善しなかった群で高発現するmiRNAを同定した。 同定されたmirRNAが筋肉の分化に影響するか検討するために、マウス骨格筋芽細胞(C2C12)を用いて検討を進めている。まず、C2C12を分化培地で培養し、筋分化マーカーであるmyosin heavy chain (MHC)等のmRNA発現の上昇をPCRで確認した。続いて、候補miRNAをC2C12にトランスフェクションし、miRNAがトランセフェクションされていることを確認した。更に、候補miRNAをトランスフェクションしてから、C2C12を分化培地に変えてmRNA発現やタンパク発現をPCRやウエスタンブロットで評価するとcontrolと比較し分化マーカーの発現が有意に低下していることを確認した。 更に、初代培養ヒト骨格筋細胞においても同様の分化誘導の確認及びmiRNAトランスフェクションによる分化抑制を確認した。分化抑制の機序を探索する目的に、通常C2C12細胞と候補miRNAをトランスフェクションした細胞でDNAarrayを実施し筋分化に関連のあるpathwayに着目し、シグナル伝達に関わる因子について検討を進めている。また、in vivoでの検討としてマウスに四塩化炭素を腹腔内投与し肝線維症モデルを作製した。今後、更に検討を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス筋芽細胞だけでなくヒト骨格筋細胞での分化抑制も確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
マウス骨格筋芽細胞における候補miRNAの筋分化抑制のメカニズム解明としてpathway解析で得られた情報を元に、シグナル経路の関与する部分を検討を更に進めmiRNAの関与する因子を探索する。 in vivoでは、慢性肝疾患モデルとして作成した四塩化炭素誘導肝線維症マウスモデルにサルコペニアを特徴づける所見が出現しているか、筋分化マーカー発現の違いなどをqRT-PCRを用いて検討する。 更に本miRNAの発現を肝硬変患者の血清で評価し筋肉量との関連についても検証を進める。
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