研究課題/領域番号 |
22K16011
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
菅原 心平 山形大学, 医学部, 客員研究員 (80817560)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / 胆汁 / 肝部分切除 / 肝再生 / Extracellular vesicles |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓は高い再生能力を持つ臓器であり、肝再生メカニズムについて盛んに研究が行われてきたが未だ十分に解明されていない。本研究ではこれを明らかにするために、肝細胞から分泌される胆汁に着目した。胆汁中には細胞間のコミュニケーションツールとである細胞外小胞(EV)が存在しており、肝細胞から分泌されたEVが胆汁を介して肝再生に影響を及ぼしている可能性が考えられる。しかし、これまで胆汁中EVの機能や肝再生との関連については報告されていない。本研究は70%肝部分切除ラットモデルを用いて、胆汁中のEVが肝再生にどのように関与しているかを明らかにすることで、新たな肝再生のメカニズムを解明することを目的としている。
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研究実績の概要 |
これまでに肝再生に関与する因子が数多く報告されているが、肝再生の詳細なメカニズムは未だ十分に解明されていない。さらに、胆汁中のEVの機能や胆汁中EVと肝再生との関連については報告されていない。本研究は70%肝部分切除ラットモデルを用いて、胆汁中のEVが肝再生にどのように関与しているかを明らかにすることで、新たな肝再生のメカニズムを解明することを目的としている。 2022年度は胆管カニュレーションラットの作成を作成し、そのカニュレーションカテーテルから胆汁を採取、胆汁からqEV細胞外小胞抽出キットを用いてEVの抽出を行って解析した。そのEV抽出液を検証したところ、TEMおよびNTAで抽出液中にEVの存在が確認できた。また、NTAではPH12時間後に肝重量あたりの胆汁中へ放出されるEV数が有意に増加していた。 2023年度は胆汁EVの肝細胞への取り込みを検討するためにラット肝細胞株(BRL-3A)に対し蛍光標識した胆汁EVを添加し24時間培養後に蛍光顕微鏡で観察した。さらにラット肝切除モデルでの胆汁EVの作用を検討するために培養したラット肝細胞株(BRL-3A)にPH12時間後/同24時間後/sham手術後の胆汁EVを添加し24時間培養、回収した細胞からRNAを抽出し次世代シークエンサーでトランスクリプトーム解析を行った。胆汁EVの動態の検討では、in vitroでは肝細胞株に胆汁EVが取り込まれていることが確認できた。トランスクリプトーム解析では、PH24時間後の胆汁EVを添加した群(PH-24群)は、sham手術後の胆汁EVを添加した群(sham群)に比べ、発現が増加・減少する遺伝子を多数認めた。さらに細胞周期に着目しGO enrichment解析を行うと、sham群に比べPH-24群では細胞周期を促進させる遺伝子や肝再生を促すとされる遺伝子の発現増加が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胆汁EVを添加したラット肝細胞株のトランスクリプトーム解析が順調に行えたため、2023年度の研究はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究では、70%肝部分切除モデルでの胆汁EVを用いて、肝細胞への増殖能へ与える影響について実験する予定である。
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