研究課題/領域番号 |
22K16017
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
桑田 威 神戸大学, 医学研究科, 特別研究員(PD) (10879084)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 炎症性腸疾患 / 自己抗体 / インテグリン / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis: UC)は、世界的に増加傾向にある難治性疾患で、病態解明を目指し多くの研究がなされてきたが、確固たる病因は不明である。疾患特異的な診断法は未だ確立されておらず、根治的治療法も存在しないことが大きな課題となっている。申請者らは、UC患者において非常に高い感度・特異度を示し、病態と関与する可能性のある抗インテグリンαVβ6抗体を発見した。 本研究の目的はUC患者において抗インテグリンαVβ6抗体が産生されるメカニズムについて検証することである。UC患者の抗インテグリンαVβ6抗体が結合する腸内細菌を同定し、UCの病態形成との関連を明らかにする。
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研究実績の概要 |
潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis: UC)は、世界的に増加傾向にある難治性疾患で、病態解明を目指して多くの研究がなされてきたが、確固たる病因は不明である。申請者らは、UC患者において非常に高い感度・特異度を示し、病態と関与する可能性のある新規自己抗体、抗インテグリンαvβ6抗体を発見した(Kuwada et al. Gastroenterology. 2021)。本研究では以下の方法によりUC患者において抗インテグリンαvβ6抗体が産生されるメカニズムを検証し、UCの病態形成との関連を明らかにするすることを目的とする。 ①UC患者末梢血よりモノクローナル抗インテグリンαvβ6抗体を作製、②モノクローナル抗インテグリンαvβ6抗体と結合する細菌を同定、③同定した細菌をマウスに移植し、大腸炎が再現できるか、抗体が産生されるか検証 ①UC患者末梢血よりモノクローナル抗インテグリンαvβ6抗体を作製:UC患者より4クローンのモノクローナル抗体を作製した。より多くのUC患者よりモノクローナル抗体を作製していく。 ②モノクローナル抗インテグリンαvβ6抗体と結合する細菌を同定: UC患者およびコントロール患者より便サンプルの集積を行った。集積した便サンプルと①で作製したモノクローナル抗体を用いて、抗体が結合する腸内細菌を同定する。 ③同定した細菌をマウスに移植し、大腸炎が再現できるか、抗体が産生されるか検証:②で抗体に結合する腸内細菌が同定できれば、その細菌をマウスに移植して解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①UC患者末梢血よりモノクローナル抗インテグリンαvβ6抗体を作製:UC患者より4クローンのモノクローナル抗体を作製した。 ②モノクローナル抗インテグリンαvβ6抗体と結合する細菌を同定: UC患者およびコントロール患者より便サンプルの集積を行った。 UC患者からのモノクローナル抗体作製、便サンプルの集積には時間を要したものの比較的順調に進んでいる。現時点では未だ抗体が結合する腸内細菌は同定できておらず、解析を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
UC患者からのモノクローナル抗体作製、便サンプルの集積は引き続き継続していき、多数例において解析を行う。作製したモノクローナル抗体、集積した便サンプルを使用して抗体が結合する腸内細菌をFACSによって選別する。次世代シークエンサーを用いたメタゲノム解析により塩基配列を解析し、その細菌を同定する。実際に同定した細菌が培養可能な菌種であれば、培養したコロニーに対して抗体が反応するか蛍光免疫染色で確認する。同定した細菌について、UC患者と健常者の腸内細菌叢で比較し、前者で有意に多いのか検証する。
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