研究課題/領域番号 |
22K16028
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
戸ヶ崎 和博 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50936408)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | オルガノイド / 胃がん / 浸潤 / シングルセル / ライブイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
びまん性胃がんは高い浸潤能・播種性を特徴とする極めて悪性度の高い疾患であるが,適切なヒト疾患モデルの欠如により根本的な治療法は未だ確立されていない.本研究では申請者らが確立したin vivoびまん性胃がんオルガノイドモデルに加えて,シングルセル発現解析,空間的発現解析,in vivoライブイメージング技術を駆使することで,腫瘍の浸潤過程を1細胞レベルで追跡・解析し,浸潤を担う腫瘍細胞の機能と動態を解明する.これまで困難であった悪性腫瘍の浸潤のダイナミクスを捕捉する技術基盤を確立し,メカニズムを突き止めることで,難治性の理解を深めるとともに新規治療開発を目指す.
|
研究実績の概要 |
本研究では,びまん性胃がんオルガノイドを免疫不全マウスの胃へ同所移植することにより,腫瘍浸潤モデルを作成し,腫瘍浸潤細胞の機能性と動態について明らかにすることを目的とした. 前年度は浸潤モデルのシングルセルRNA-seq解析から,腫瘍浸潤に寄与している細胞の遺伝子マーカーを同定した.複数の患者由来サンプルを統合解析し,同様の浸潤細胞集団が存在することを確認した. 移植組織および患者検体にて,遺伝子マーカーの免疫染色から,浸潤先端部やtumor buddingにおいて,発現が上昇していることが見出された. さらに本年度はこのマーカー遺伝子を用いて,細胞の蛍光可視化および遺伝学的系譜解析を行った.蛍光可視化した細胞をマウスの胃壁に移植した後,胃を腹壁まで挙上して生体窓デバイスを取り付け,長波長多光子顕微鏡を用いて移植細胞の動態を経時的に観察した.すると移植直後はびまん性に分布していた蛍光細胞が,移植後1週間で浸潤先端部に集積するダイナミクスが確認された. またマーカー遺伝子を蛍光可視化したオルガノイドを利用し,in vitroで浸潤関連マーカーの発現が上昇する条件を同定した.コラーゲンと線維芽細胞を使用した二次元培養アッセイから,浸潤関連マーカーの発現を上昇させる培地にて,in vitro系で浸潤能が上昇することを見出した. 今後はライブイメージング技術を利用し遺伝学的系譜解析を行い,より詳細なダイナミクスと機能について解析していく.
|