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細胞外小胞が肝臓構成細胞へ与える影響からみるNASH治療標的の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K16048
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関長崎大学

研究代表者

福島 真典  長崎大学, 病院(医学系), 助教 (80835596)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード細胞外小胞 / NASH / LPS / 脂肪毒性
研究開始時の研究の概要

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の病態は複雑で、多くの点が不明である。近年NASHの進展に関わる因子として、細胞外小胞(Extracellular vesicles:EVs)が新たに注目されている。本研究は、脂肪毒性を受け分泌した肝細胞由来EVsが、肝細胞自身や周囲の細胞 (星細胞、クッパー細胞、類洞内皮細胞)の増殖能、及び炎症、線維化へ与える影響を解析し、新たにEVsのNASH病態への役割を明らかにすることを目的に立案した。EVsによるNASH発症メカニズムの詳細を明らかにし、新たなNASH治療の標的を見出し、新規治療開発への応用が期待できると考える。

研究実績の概要

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は急速に増加している疾患であり、NASH病態の詳細な解明、新規治療法の確立は社会的な急務である。我々は、脂肪毒性により肝細胞から分泌された細胞外小胞(Extracellular vesicles:EVs)がNASH発症に寄与するという新たな知見を報告し、近年EVsがNASH進展のメカニズムを考えるうえで新たなkeyとして認知されるようになった。NASHの病態は複雑で、いまだ多くの点が不明である。我々は脂肪毒性を受けた肝細胞から分泌されるEVsは、マクロファージに作用することで炎症を惹起し、NASHを進展させることを報告している。しかし、NASH進展におけるこのEVsの、マクロファージ以外の細胞に対する役割は分かっていない。本研究は、脂肪毒性により分泌された肝細胞由来EVsが、肝臓を構成する肝細胞、クッパー細胞、星細胞、類洞内皮細胞の増殖能、炎症、線維化へ与える影響を総合的に解析し、EVsとNASH病態との詳細を検証することを目的としている。EVsが肝臓内の細胞に対しても一律にNASH進展促進へ作用するのであれば、脂肪毒性によるEVs分泌自体の阻害が新たな治療標的になり得る。一方で、EVsが作用する細胞により、NASH進展促進、あるいは保護的に働くのであれば、進展促進へ寄与する細胞へのEVsの働きを選択的に阻害することにより、効果的なNASH治療法の開発につなげることができると考えている。このように本研究はEVsを介した新たなNASH病態の解明とともに、EVsを標的とした実践的な創薬への貢献が可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はEV測定機器の購入により、実際に肝細胞由来のEV抽出方法とEVが十分量採取できていることを確認できた。さらにはマウス実験によりNASHモデルマウスの作成を行い、実際のNASHの病態を反映するように脂肪化、炎症、線維化が肝組織に表れていることが確認できている。さらにはこのNASHモデルマウスには血清中にEVsが豊富に含まれていることを確認できており仮説に合致する結果が得られている。

今後の研究の推進方策

次年度はマウス肝細胞由来のEVsを実際にNASHモデルマウスに投与することによる肝臓組織の状態の観察を行う予定である。さらには細胞レベルでの炎症や線維化マーカーの発現変化も併せて解析予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Most Cases of Cryptogenic Cirrhosis May Be Nonobese Nonalcoholic Steatohepatitis - Risk Factors of Liver Steatosis After Liver Transplantation for Cryptogenic Cirrhosis: A Retrospective Study2023

    • 著者名/発表者名
      Fukushima Masanori、Miyaaki Hisamitsu、Sasaki Ryu、Haraguchi Masafumi、Miuma Satoshi、Hara Takanobu、Soyama Akihiko、Hidaka Masaaki、Eguchi Susumu、Nakao Kazuhiko
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: 62 号: 10 ページ: 1415-1423

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.0514-22

    • ISSN
      0918-2918, 1349-7235
    • 年月日
      2023-05-15
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] アルコール性肝硬変の発癌症例において、背景肝のe lastic fiber, collagen fiber比は高値を示す2022

    • 著者名/発表者名
      福島真典
    • 学会等名
      第58回日本肝臓総会 2022年6月8日
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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