研究課題/領域番号 |
22K16075
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岡野 光真 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70932846)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 静脈血栓 / 静脈弁 / 血栓後症候群 / 静脈弁機能 / 静脈血栓症 |
研究開始時の研究の概要 |
深部静脈血栓症に伴う血栓後症候群は、抗凝固療法が奏功した血栓消失後においても発症する慢性期最大の合併症であり、罹患した患者は長期的な通院加療を要する。しかしながら、現存する血栓後症候群の診断基準は臨床症状と所見に基づいており、病態についても静脈弁機能不全が中心と考えられるものの十分に検証されていない。疾病対策のためには、早期診断に有用な予測因子の同定や病態解明が求められる。したがって、本研究では以下の2つの研究課題について検証する。(1) 深部静脈血栓症患者の血栓後症候群発症に関連する予測因子を解析し、(2) マウス生体血栓モデルを利用した静脈弁機能変化を検証する。
|
研究実績の概要 |
深部静脈血栓症に伴う血栓後症候群は、抗凝固療法が奏功した血栓消失後においても発症する慢性期最大の合併症であり、罹患した患者は長期的な通院加療を要する。しかしながら、現存する血栓後症候群の診断基準は臨床症状と所見に基づいており、病態についても静脈弁機能不全が中心と考えられるものの十分に検証されていない。疾病対策のためには、早期診断に有用な予測因子の同定や病態解明が求められる。したがって、本研究では以下の2つの研究課題について検証する。(1) 深部静脈血栓症患者の血栓後症候群発症に関連する予測因子を解析し、(2) マウス生体血栓モデルを利用した静脈弁機能変化を検証する。 具体的には、(1) 抗凝固療法の適応となる中枢性の下肢深部静脈血栓症患者を対象として、血栓後症候群に関連する臨床症状、血液検査、画像所見などを経時的に評価する。(2) マウス下腿静脈結紮による静脈血栓モデルを用いた生体イメージングによって、血栓形成後に弁部の逆流を含む血流変化や血管リモデリングによる弁機能不全を合併するか検証する。 当該年度は、当院で抗凝固療法を開始した中枢性の下肢深部静脈血栓症患者における血栓後症候群合併例の患者背景や血液検査プロファイル、下肢静脈エコー所見の評価によって予測因子を検証したが、有意な結果を得られなかった。またマウス下腿静脈結紮後、日の単位でフィブリン血栓を形成する、より臨床病態に近い静脈血栓モデルの作成に成功した。静脈弁部を含めた血栓の生体イメージングおよび病理学的評価を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
マウス生体血栓モデルを用いたイメージング研究を進めたが、2光子顕微鏡による静脈弁の高解像イメージング、微小な弁の病理学的評価に難渋した。下肢深部静脈血栓症患者を対象とした前向き観察研究の進捗が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、臨床研究を中心に、抗凝固療法を要する中枢性の下肢深部静脈血栓症患者に対する前向き観察研究を進める。患者背景に加えて、血栓性素因項目、D-dimerを含む凝固線溶系マーカー、炎症性サイトカイン、接着分子、Neutrophil Extracellular Traps関連因子など、外部委託検査を含む測定を行う。また下肢静脈エコーや造影CTによる血栓の分布、輝度、可動性の有無、血管径、弁部の逆流所見の有無、などの半定量的な画像解析を行い、Villalta scaleに基づいた血栓後症候群の診断および重症度評価を行う。これらの結果で、血栓後症候群に関連する予測因子を明らかにしたい。
|