研究課題/領域番号 |
22K16080
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中田 康紀 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70812379)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 心不全 / NADPHオキシダーゼ / p22phox / 酸化ストレス / SERCA2a / 活性酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全治療において様々な治療薬が出てきたものの,いまだに予後の悪い疾患であり,分子メカニズムに立脚したより有用な治療薬の開発が望まれている.申請者らは心筋細胞での活性酸素(ROS)の産生に関わるNADPHオキシダーゼ(NOX)の働きが,心不全の発症あるいは進展に寄与することを示してきた.今回,NOX構成因子である「p22phox」が,NOXの安定化だけでなく,心筋収縮を担う心筋筋小胞体Ca2+-ATPase(SERCA2a)の発現維持に関わることを示し,新たな心不全治療への展開を探る.
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研究成果の概要 |
活性酸素の主要な供給源となっているNADPHオキシダーゼ(NOX)とヘテロ二量体を形成しているp22phoxに関して研究を行った.ヒト心不全患者の心臓サンプルでは,健常者に比較し,有意にp22phoxの発現が亢進していることを認めた.また,心筋特異的p22phoxノックアウトマウスでは,心筋収縮・弛緩の中心的役割を果たしている心筋筋小胞体Ca2+-ATPase(SERCA2a)の発現量が低下しており,p22phoxはNOXの安定化だけでなく,SERCA2aの発現維持に関わることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化社会を迎えた日本において,心血管疾患による死亡は癌に次いで2番目に多く,そのなかでも心不全による死亡の割合が最も多くなっている.心不全患者に対する治療薬が様々開発されているものの,未だに予後不良な疾患のままであり,従来とは異なる視点から分子メカニズムを検討する必要がある.今回の研究では心不全におけるNADPHオキシダーゼファミリーの新たな機序の解明するものであり,新規の治療薬を開発に寄与する可能性がある.
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