研究課題/領域番号 |
22K16081
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
野木 一孝 奈良県立医科大学, 循環器内科, 診療助教 (30867396)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | NT-proBNP / 心不全スクリーニング / 健診 / 心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全の医療の質を改善するためには、早期心不全症例を正確に診断して適切に介入することが必須であるが、早期心不全を正確に診断することは難しい。バイオマーカーであるNT-proBNPは、心不全診断のために最も信頼できるものの一つであるが、患者全員に闇雲に測定することは保険診療上不適切である。そこで、どの様な症例にNT-proBNPを測定するのが妥当かを検証することが、心不全早期診断を可能にする第一歩である。本研究では、心不全診断のカットオフとされているNT-proBNP:125pg/ml以上の症例を高率に抽出する特定検診項目を同定し、心不全発症を予測するアルゴリズムを作成することを目的としている。
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研究実績の概要 |
我々は心不全ステージA・Bが疑われる患者における背景、臨床所見、併存症、検査所見の中で血清NT-proBNP濃度上昇に関連する因子について研究を行い、以下のことを明らかにした。 ①無症状の心不全ステージBが疑われる血清NT-proBNP≧125pg/mlを予測する因子として、BMI(body mass index)、年齢、SBP(systolic blood pressure)、eGFR(estimated glemerular filtration rate)、CTR(cardio thoracic ratio)、心疾患の6つの因子が同定された。 ②上記の6つの因子を用いて血清NT-proBNP≧125pg/mlを予測するスコアリング(BASE-CHスコア)を作成した(BMI <22 kg/m2:1点、70~79歳:1点、80歳以上:2点、SBP140~159mmHg:1点、160mmHg以上:2点、eGFR30~60mL/min/1.73m2:1点、30未満:4点、CTR50%以上:1点、心疾患:1点の合計11点満点)。 ③無症状ではあるが血清NT-proBNP≧125を満たす患者の約9割で心エコーによる構造的異常を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに血清NT-proBNP濃度上昇リスクを評価するための因子を同定し、スコアリングを作成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はそのスコアリングを用いて対象患者の予後をフォローすることで、特定健診項目と心不全発症リスクとの関連を検証する予定である。
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