研究課題
若手研究
本研究では、(1)未分化抗原特異的CAR-T細胞がヒトiPS細胞由来の各種分化細胞には作用せず、残存未分化幹細胞のみに作用することの確認、(2)既に形成されたヒトiPS細胞由来奇形腫をCAR-T細胞療法により除去できるかの評価、さらに(3)ヒトiPS細胞由来分化細胞から発生した腫瘍(非奇形腫が主)をCAR-T細胞療法により除去できるかの評価を達成することを目標とする。
GPC3に対するモノクロ抗体の作製、遺伝子改変によるキメラ抗原受容体(CAR)の作製、GPC3に対するCAR-Tの作製を終了し、GPC3発現細胞に対する強い細胞傷害作用も確認した。iPS細胞からの分化細胞には作用せず、残存iPS細胞のみに作用することを確認し、マウスの動物実験においてCAR-T細胞投与により、iPS細胞を皮下移植して際に奇形腫形成が抑制されること、また心臓に移植した心筋細胞に傷害を認めることなく、奇形腫の形成抑制効果も確認した。
申請者はこれまでに、ヒトiPS細胞に特異的に発現し、分化心筋細胞には発現していない細胞膜表面抗原としてGPC3を同定し、これを標的抗原とするGPC3特異的細胞傷害性T細胞(CTL) 療法を開発してきた(BBRC 2019)。また、ヒトiPS細胞由来の奇形腫においてGPC3が高発現していることを初めて見出し、GPC3を標的としたCAR-T細胞療法の免疫学的アプローチにより再生医療における全ての領域で応用可能な非侵襲的腫瘍除去法の確立を可能とした。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件)
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