研究課題/領域番号 |
22K16093
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中尾 元基 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (90911694)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光除細動 / 光遺伝学 / 心臓電気生理学 / 心房細動 |
研究開始時の研究の概要 |
光遺伝学とは、対象となる細胞や組織に光感受性タンパク等を遺伝的に発現させることで、生体機能を非接触で高精度に制御する技術の総称である。代表的な光駆動型チャネルであるチャネルロドプシン2(ChR2)を心筋細胞に発現させることで、心房細動などのリエントリー性不整脈を無痛的に停止させる「光除細動」が可能であるとが報告され、臨床応用が期待されている。本研究は光照射のタイミングを工夫することで光除細動の効率を高められる可能性について検証するものである。
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研究実績の概要 |
心房筋にChR2(チャネルロドプシン2)を発現させたマウスをダブルトランスジェニック技術を用いて作成し、ChR2-tdTomatoの発現を確認した。ランゲンドル フ灌流心に対して、右心房を心外膜側から青色光(470nm)で刺激する心房光照射系を確立した。KACh-channel activatorであるCarbacholを溶解し、さらに低カリ ウム状態にした溶液(Carbachol + 低カリウム溶液)を灌流し、右心房に電気的連続刺激を行うことで心房細動を誘発した。心房細動誘発後に右心房にパルス光 刺激を行い、心房細動抑制効果を検証した。活動電位持続中に実施されるパルス光刺激によるAPD延長効果およびERP延長効果を、光学マッピング法を用いて観察 した。パルス光刺激による光除細動時の活動電位波形を、光学マッピング法を用いて観察した。Carbachol + 低カリウム溶液灌流および心房連続電気刺激により 誘発された心房細動はパルス光刺激により光除細動された。光除細動率はパルス光刺激の光強度およびパルス幅に依存した。絶対不応期を含む活動電位持続中に 実施されるパルス光刺激によりAPDは有意に延長し、ERPも同様に有意に延長した。APDおよびERPは活動電位再分極相でパルス光刺激を受けた場合に最も延長し た。また、ERP延長効果は光刺激のパルス幅に依存した。一方で一定値以上の光強度はERP延長に追加効果を与えなかった。パルス光刺激による光除細動はAPDの 延長を伴って実施された。今後、照射時相ごとの心房細動停止効果を確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光除細動時の活動電位波面の観察が得られている
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今後の研究の推進方策 |
様々な時相における光除細動時の活動電位波面の観察を行う
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