研究課題/領域番号 |
22K16105
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
江本 拓央 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80855023)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 動脈硬化 / シングルセル解析 / 冠動脈疾患 / 急性冠症候群 / 慢性冠症候群 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
シングルセルRNAシークエンス解析によって、冠動脈プラークのマクロファージ(Mφ)のサブタイプを明らかにした。この結果を基盤に、急性冠症候群の発症を抑制する、Mφをターゲットとした治療法を見出すことである。そのために、3つの計画を実施する。①抗IL-1β阻害薬が持つプラークを退縮/安定化させる効果を検討する。②TREM2遺伝子欠損マウスを用いてTREM2の動脈硬化プラーク形成への影響を探ると同時に、TREM2刺激で動脈硬化が安定化するのかを検証する。③臨床の冠動脈プラーク検体を用いて、Mφの分化を決定するエピゲノム制御を明らかにし、治療介入法を探索する。
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研究成果の概要 |
冠動脈粥腫切除術で得られる慢性冠症候群患者のプラークと急性冠症候群患者のプラークをシングルセルRNAシークエンス (scRNAseq) で比較すると、ACSプラークでのみCXCL3+IL1B+ inflammatory Mφを認めたため、このMφの動脈硬化不安定性に与える意義について調べるため、動脈硬化退縮モデルを使い、抗IL1B抗体とCXCL3の受容体であるCXCR2阻害薬の2剤にて動脈硬化の進展を食い止めることができる可能性を示すことができた。また、CD4陽性T細胞に着目すると、central memory CD4陽性T細胞がACSプラークでのみ集積していることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動脈硬化の予防、治療について、この数十年で大きく進歩したことが平均寿命の延長に大きく貢献したが、依然として動脈硬化性疾患は死因として大きな割合を占めている。中でも心筋梗塞、不安定狭心症を含む急性冠症候群における致死率は高く、その予防は極めて重要である。組織の性状を判別できる血管内エコーで冠動脈プラークを経時的に観察した研究では、その性状は時間とともに変化することが示されており、治療介入の可能性が言われている。現在のところ、不安定プラークを安定化させる心血管イベント抑制法の開発が望まれており、本研究の結果が新しい治療法開発につながると考えている。
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