研究課題/領域番号 |
22K16112
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
那須 崇人 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60863462)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心不全 / リンパ機能 / 静脈機能 / 下腿浮腫 / リンパ管シンチグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
心不全は心ポンプ機能低下・臓器潅流低下・うっ血によって日常生活上の障害を特徴とする臨床症候群で、有病率は増加傾向である。心臓外に心不全の原因がある可能性が報告されている。その中でも下腿浮腫は古くから兆候として知られ、その一つとして2020年にHFpEFとリンパ機能不全が報告された(J Am Coll Cardiol. 2020)。前述の報告ではHFpEF症例の皮膚生検を元にリンパ機能を評価したが、本研究ではHFrEF及びHFpEF症例においてリンパ機能評価としてリンパ管シンチグラフィーを用いて心不全におけるリンパ機能を定性的に評価することで新たな心不全の病態を解明する可能性がある。
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研究実績の概要 |
令和5年度は倫理審査書類作成を行なった。リンパ管シンチグラフィーの供給停止などがあり、令和5年度は症例登録を行うことができなかった。一方でリンパ機能に影響を与えるとされている弾性ストッキングと心不全の関連について追加研究を行い、論文発表を行なった(Int J Cardiol Heart Vasc. 2024;50:101343)。本研究結果は弾性ストッキング着用が薬物調整が不要な安定しているNYHA2-3の慢性心不全においてBNP改善・NYHA改善と関連があったこと、さらに心不全の中でもHFpEFでBNP低下と関連があったことを後ろ向きに報告した。弾性ストッキングはリンパ浮腫・静脈機能不全による深部静脈血栓症既往に対して適応のあるデバイスだが、心不全患者においてはガイドラインでの明記はないものの添付文章にて禁忌または慎重使用とされている。一方で心不全におけるリンパ機能不全は本研究のテーマであり、弾性ストッキングがリンパ機能に影響を与えることで、心不全に良い効果を与える可能性があると考えられ発案した。過去の報告では、リンパ機能低下とHFpEFの関連が報告されており、本研究結果と関わりがある可能性がある。本報告をするにあたって本研究の意義を改めて認識することができたため、令和6年度はリンパ管シンチグラフィーの供給に目処も立ち、症例収集を中心に研究を邁進し、心不全におけるリンパ機能定量化の意義を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リンパ管シンチグラフィーの供給停止があり、症例登録に至らなかった。現在は検査可能となっているため、可能な限り症例を登録していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
症例登録及び、予後調査を行いつつ、新たな心不全とリンパ機能・静脈機能に関する知見を深める。
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