研究課題/領域番号 |
22K16127
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 希美 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30823679)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 心サルコイドーシス / 心臓MRI / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
心臓サルコイドーシスは、致死性不整脈や左室機能障害により重症心不全をきたす予後不良な疾患である。免疫抑制療法により病態の進行抑制が期待できるが、感度の高い疾患特異的な診断指標が存在しないため、従来の画像指標で診断困難な場合の治療介入の遅れが問題となっている。本研究は、心臓MRIの新規指標やmicroRNAなどのバイオマーカー解析を用いて、より疾患特異的な診断指標を確立することを目的とする研究である。
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研究実績の概要 |
心臓サルコイドーシス(CS)は、致死性不整脈や左室機能障害により重症心不全をきたす予後不良な疾患である。免疫抑制療法により病態の進行抑制が期待できるが、感度の高い疾患特異的な診断指標が存在しないため、従来の画像指標で診断困難な場合の治療介入の遅れが問題となっている。本研究は、心臓MRIの新規指標やmicroRNAなどのバイオマーカー解析を用いて、より疾患特異的な診断指標を確立することを目的とする研究である。 上記の目的を解明するために、R4年度には、CSが疑われ、心臓MRI、PET、心筋生検などの集学的精査が行われた症例を対象に、対象症例をガイドラインに準じてCS、心限局性サルコイドーシス、他の心筋症に分類し、心臓MRI、心エコー、FDG-PET所見の比較を行った。心臓MRI所見については、心筋遅延造影などの各種指標を評価した。検討の結果、心限局性サルコイドーシスは左室拡大が顕著で左室駆出率が低下しており、PETの集積が低値であるなどの画像所見の特徴があること、またその予後が不良であることを明らかとした。これらの所見からは、心限局性サルコイドーシスがより進行したサルコイドーシスの病態である可能性が示され、その結果をまとめて論文発表を行った。また、CS症例の臨床症状である心室性不整脈や房室ブロックなどのイベントと、心臓MRIの遅延造影の分布、右心機能などの指標との関連についても詳細な検討を行っている。 さらに、R5年度にはCS診断に有用なバイオマーカーの確立のためにmicroRNA解析を予定しており、その解析のための体制構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では初年度に心臓MRIを用いた画像解析を行ったが、T2 mappingや4D-flowによる解析は完了しておらず、予定と比較してやや遅延を認めている。バイオマーカーの解析については体制構築が終わり、解析などが開始可能な状況となっており、おおむね予定通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
ここまでの成果を踏まえて、今後はT2 mapping、4D-flowの新規の心臓MRI指標を用いた評価を追加し、診断・病勢の評価におけるこれらの指標の有用性を明らかにする方針である。また、これらの結果を基に、新たに診断・治療が開始されたCS症例に対して、心臓MRI指標の治療開始後の変化を評価し、治療反応性の予測指標としての有用性を、心エコー、FDG-PETなどの従来の指標と比較検討する。また、microRNAによる診断指標の確立の検討については、前年度までに診断されたCS症例、疑い症例として精査が行われた症例を対象に血液検体を採取し、RNAサンプルを用いてmicroRNAの発現解析を行い、CSと鑑別疾患となる他の心筋疾患・心筋症を対象として、網羅的解析を行い、CSに特異的なmicroRNAの検出を行う方針である。
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