研究課題/領域番号 |
22K16141
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永田 拓也 九州大学, 大学病院, 医員 (30914254)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 心不全 / 高齢 / 予後予測 / 診療補助ツール / コホート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、わが国の過去最大規模13,238例の心不全患者レジストリであるJROADHF(The Japanese Registry Of Acute Decompensated Heart Failure)研究のリアルワールドデータを用いて、高齢の心不全患者における予後予測モデルを作成する。予後因子の中には、高齢者特有の併存症も含めて検討する。作成した予後予測モデルを元に、スマートフォンなどで簡便に利用できる診療補助ツールを開発する。この診療補助ツールにより、臨床経験をデータで補われる事で、地域格差の少ない質の高い診療が実現される事が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、高齢の心不全患者における予後予測モデルを作成し、作成した予後予測モデルを元に、スマートフォンなどで簡便に利用できる診療補助ツールを開発することを目的とする。この診療補助ツールにより、臨床経験をデータで補われる事で、地域格差の少ない質の高い診療が実現される事が期待できる。 本年度は心不全患者レジストリであるJROADHF (The Japanese Registry Of Acute Decompensated Heart Failure)研究の特性を明らかにするために、JROADHF研究のデータを用いて左室駆出率 (LVEF) レベル別の長期予後を検討した。JROADHF研究は悉皆性の高いJROAD研究の対象者からクラスターランダムサンプリングにより対象者を決定しており、外的妥当性の高さを特徴とする。 当該研究では、収縮能の低下した心不全 (HFrEF, LVEF<40%)、収縮能の軽度低下した心不全 (HFmrEF, LVEF 40-49%)、収縮能の保たれた心不全 (HFpEF, LVEF≧50%) に分けて中央値4.3年間の追跡を行った。各サブタイプの性年齢調整死亡率は、それぞれ16.8、16.1、15.9/100人年(心血管死は9.2、7.8、6.6/100人年、非心血管死はそれぞれ7.6、8.3、9.3/100人年)であった。性年齢調整死亡率は、HFpEF患者に比してHFrEF患者で有意に高かった。いずれのLVEFレベルの心不全においても、心血管死亡率と非心血管死亡率の双方が、依然として高いことが示された。 当該研究は米国心臓病学会JACC誌の姉妹誌であるJACC Asia誌に掲載され (JACC Asia. Mar 07, 2023)、第87回日本循環器学会学術集会で公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リスクモデルの作成に先行し、本邦における心不全の疫学データを明らかにするためにJROADHFの疫学データを論文化した。本研究は高い評価を受け、JROADHF研究のデータの質が国際的にも認められたと考えられる。そのため、研究は概ね順調に推移していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
JROADHF研究のデータを用いて危険因子の探索を行い、高齢の心不全患者における予後予測モデルの作成を進める方針である。
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