研究課題/領域番号 |
22K16143
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
安齋 文弥 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00877087)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 大動脈弁狭窄症 / Calciprotein particle / NLRP3インフラマソーム / インフラマソーム / 無菌性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦の高齢化に伴い、大動脈弁狭窄症(Aortic Stenosis: AS)患者は急増している。加齢に伴うASでは大動脈弁尖の変性と石灰化が認められるが、ASの発症と進展における詳細なメカニズムは不明であり、未だに有効な内科的治療法は確立されていない。血中のリン酸カルシウムのコロイド粒子であるCalciprotein particle(CPP)がマクロファージのNLRP3インフラマソームを介してIL-1β産生を誘導することが明らかになっており、本研究では、CPPのASにおける病態意義を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、大動脈弁狭窄症におけるCalciprotein particleによる慢性炎症の病態意義を解明し、それが治療法の開発につながるかを検討することを目的としている。Calciprotein particleによる炎症のメカニズムとして、NLRP3インフラマソームに着目してトランスレーショナル研究へと発展させる予定である。 先行研究にて患者血中のCalciprotein particleをより正確に測定する方法が確立されており、この方法は、血漿に近赤外線蛍光色素で標識したビスフォスフォネート(Osteosense)を加え、リン酸カルシウム結晶を含むCalciprotein particleに結合させ、これをゲル濾過スピンカラムでCalciprotein particleに結合しなかった Osteosenseを分離し、Calciprotein particleを含む濾液の蛍光強度を近赤外線スキャナーで測定してCalciprotein particleを定量化するものである。当院入院歴があり経カテーテル的大動脈弁留置術の適応となった重症大動脈弁狭窄症患者の血漿中のCalciprotein particleを本測定法で測定したところ、同年代の健常コントロールと比べて有意にCalciprotein particleが高値であったため、Calciprotein particleが大動脈弁狭窄症の進行に寄与している可能性が示唆された。また、大動脈弁狭窄症患者の血中カルシウム、リン、プロカルシトニンとCalciprotein particleには正の相関が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究前の仮定と同様にCalciprotein particleと大動脈弁狭窄症の関係性が確認できているため。
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今後の研究の推進方策 |
大動脈弁複合体における石灰化量とCalciprotein particleの関連性を明らかにするため、大動脈弁狭窄症患者のCTでの大動脈弁複合体の石灰化量を測定し、Calciprotein particle値と比較する。またCalciprotein particleは炎症性サイトカインであるIL-1βの産生を惹起することが先行論文で明らかになっているため、大動脈弁狭窄症患者の血中IL-1βを測定し、Calciprotein particle値と比較する。
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