研究課題/領域番号 |
22K16146
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
藤田 澄吾子 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (20856702)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 周産期心筋症 / 螺旋動脈リモデリング不全 / 異形プロラクチン産生 / 心エコー / 胎盤エコー |
研究開始時の研究の概要 |
周産期心筋症は、周産期に発症する原因不明の心筋症で、適切な心不全治療を行っても予後不良であるため、その早期診断・早期介入が求められている。今回、螺旋動脈リモデリング不全がsFlt1産生を亢進し血管新生を抑制することで、血管内皮障害・酸化ストレス亢進を引き起こし、その結果異形プロラクチン産生亢進から周産期心筋症を発症すると仮説を立てた。本研究の成果から上記仮説が証明されれば早期に周産期心筋症の診断が行え、また根本的治療の開発が期待され、周産期心筋症の予後を改善する研究となる。
|
研究実績の概要 |
本研究は、螺旋動脈リモデリング不全がsFlt1産生を亢進し血管新生を抑制することで、血管内皮障害・酸化ストレス亢進を引き起こし、その結果、異形プロラクチン産生亢進から周産期心筋症が発症する仮設を立て、周産期心筋症の発症機序を解明する。 令和4年度は、周産期心筋症のリスクにかかわらず、健常妊婦において、妊娠初期 (妊娠12週前後)、妊娠中期 (妊娠24週前後)、妊娠後期 (妊娠36週前後)の検診時に、胎盤エコーと、心エコーを施行した。胎盤エコーにおいて、PI, RIを測定し螺旋動脈リモデリング不全の評価を行った。心エコーにおいて、通常のパラメーターと共に左室Global Longitudinal Strainを求めた。同一検者および複数検者でのエコーの撮像および計測を実施し、Inter-observer reproducibilityおよびInterobserver reproducibilityを算出した。 その結果、これらエコー検査の再現性は十分に高く、本研究解析の妥当性の基礎を構築することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
周産期心筋症のリスクが高いと考えられる妊婦の登録が想定より遅れた。その理由として、周産期心筋症のリスクの高い症例の頻度が想定より少なかった。さらに、高齢・多胎妊娠・慢性高血圧症・妊娠高血圧症候群を呈する妊婦を、本研究における周産期心筋症のリスクが高い例の包含基準としたが、研究参加への同意が得られる症例が少なかった。 また、検査データの登録フォーム(Electronic Data Capture:EDC)に、不具合が発生した。これらを修正し再構築するのに時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づいて、周産期心筋症のリスクが高いと考えられる妊婦症例における臨床データの蓄積を引き続き進めていく。しかし、登録例が計画より少ない可能性がある。さらに、日本人の場合周産期心筋症は 15000出産に一人程度の発症頻度とされており、今回のコホートで周産期心筋症が検出できない可能性もある。その場合に備えて、研究計画に基づき、過去の蓄積データを応用して、周産期心筋症患者と非周産期心筋症患者との後ろ向き比較試験の準備を行う。
|