研究課題/領域番号 |
22K16153
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
坂口 あかね 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (50836690)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 心臓再生 / 解糖系 / エネルギー代謝 / Ptbp1 / 心筋細胞 / 循環器 / 再生医療 / 糖代謝 / 脂肪酸代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の心筋は出生後に分裂能を失うため、成体心臓は再生しないことが知られている。そのため心疾患は全世界における死因の第一位を占めており、心臓再生法の開発は極めて重要な研究課題である。 分裂能を喪失する要因として、エネルギー代謝に利用する栄養基質が出生後に糖から脂肪酸へと変化することが報告されているが、心筋細胞において代謝の変化がどのようにして細胞周期を制御しているかについては不明である。本研究では、代謝の変化を介して心筋の細胞周期を制御する分子機構を明らかにし、標的因子の薬理学制御ならびに食餌的制御による心臓再生法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
哺乳類の心筋は胎仔期から出生直後においては増殖しているが、成長と共に分裂能を失うため、成体心臓は損傷部位を再生できないことが知られている。本研究では心筋細胞が増殖能を喪失する原因として栄養代謝の基質が出生前後で変化することに着目し解析を行った。その結果、胎仔期と同様の代謝様式を誘導する因子を特定し、遺伝子改変マウスを用いて成体心筋細胞が増殖能を再獲得することで損傷部位の再生が可能になることを明らかにした。またその下流の経路を薬理学的に活性化したところ、遺伝学的解析と同様に成体心臓の機能的回復を伴う損傷部位の再生が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は成体哺乳類の心臓再生を目的とし、細胞周期制御機構の一端を明らかにするものである。これまで心筋細胞が増殖能を喪失する原因として出生後の脂肪酸代謝の活性化が指摘されていたが、報告者は新たに胎仔型の栄養代謝様式が成体の心筋細胞において増殖能の再獲得させることを見出した。また下流の経路に対して薬理学的に介入することで、心筋梗塞部位が再生することを明らかにした。報告者は、胎仔型の栄養代謝様式が生後の脂肪酸代謝とは独立して細胞周期を制御し得る本研究成果は、虚血性心疾患のための新規治療法開発の一助になると考えている。
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