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既喫煙喘息におけるレドックスバランスと炎症基盤の観点から見た新規治療戦略の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K16160
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53030:呼吸器内科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

京極 自彦  東北大学, 大学病院, 助教 (20849400)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード既喫煙喘息 / ニトロ化ストレス / レドックス不均衡 / CD161+mTreg / TH17細胞 / CD161+Treg / 活性窒素種 / 活性イオウ分子種
研究開始時の研究の概要

喘息の重症化の一因としてタバコ煙曝露があるが、既喫煙喘息は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有さないにも関わらず、症状の不安定化や呼吸機能の悪化を呈することが知られている。一方で既喫煙喘息は、臨床試験や治験から除外されてきた集団であり詳細な分子機序については不明である。本研究では、既喫煙喘息患者の気道検体(喀痰、肺組織)の活性窒素種(RNS)及び活性イオウ分子種(RSS)の産生不均衡の有無及び末梢血液中のTリンパ球の遺伝子変化の網羅的解析により、既喫煙者喘息における症状の不安定化と呼吸機能の悪化をもたらす機序を解明することで、治療抵抗性の喘息に対する新規治療法を創出することを目指す。

研究実績の概要

喘息の重症化の一因としてタバコ煙曝露があるが、既喫煙喘息は慢性閉塞性肺疾患
(COPD)を有さないにも関わらず症状の不安定化や呼吸機能の悪化を呈することが知られている。既喫煙喘息にCOPDを有する場合ACOに該当し、レドックス不均衡および好中球性気道炎症の増強することが分かっているが、一方でCOPDを有さない既喫煙喘息については、詳細な分子機序については不明である。本研究ではレドックス不均衡や制御性T細胞(Treg)の機能に着目し既喫煙喘息の難治化病態を解明することを目的とした。
非喫煙喘息及び既喫煙喘息それぞれのコントロール良好群、コントロール不良群の誘発喀痰を用いた免疫組織化学による検討を行った。気道中のニトロ化ストレスの評価として、3-ニトロチロシン(3-NT)に対する免疫組織化学を行ったところ、他の3群に比較し有意にコントロール不良既喫煙喘息で3-NT陽性細胞の割合の増加を認めた。
TregサブセットであるCD161+memoryTreg(mTreg)はIL-17を産生する主要サブセットであることが報告されている。そこでCD161+mTregと既喫煙喘息病態との関連を検討するため、患者由来の末梢血単核球細胞(PBMC)を採取しフローサイトメトリーにて解析したところ、コントロール不良既喫煙喘息患者では、コントロール良好既喫煙喘息患者と比較してCD161+mTregの割合が増加していた。更に、分離したCD161+mTregについてトランスクリプトーム解析を行ったところ、コントロール不良既喫煙喘息患者では、TGFB3やRORCといったTh17細胞に関連した遺伝子の発現上昇がみられ、Th17様CD161+mTregが病状不安定化に関連している可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

比較検討したサンプルの組み合わせが多く、RNAシーケンス解析に時間を要したため想定した進捗状況より遅れている。

今後の研究の推進方策

これまでの検討で、コントロール不良の既喫煙喘息患者はTh17様CD161+mTregが病状不安定化に関わっている可能性が示唆されている。このTregサブセットが実際に好中球性炎症に関わるサイトカインを増強するか、機能的な解析を進めてく方針である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of Siglec-1-negative alveolar macrophages with pro-inflammatory phenotypes in chronic obstructive pulmonary disease2024

    • 著者名/発表者名
      Saito Takuya、Fujino Naoya、Kyogoku Yorihiko、Yamada Mitsuhiro、Okutomo Koji、Ono Yoshinao、Konno Shuichi、Endo Takuto、Itakura Koji、Matsumoto Shuichiro、Sano Hirohito、Aizawa Hiroyuki、Numakura Tadahisa、Onodera Katsuhiro、Okada Yoshinori、Hussell Tracy、Ichinose Masakazu、Sugiura Hisatoshi
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology-Lung Cellular and Molecular Physiology

      巻: - 号: 6 ページ: L672-L686

    • DOI

      10.1152/ajplung.00303.2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Decreased expression of airway epithelial Axl is associated with eosinophilic inflammation in severe asthma2022

    • 著者名/発表者名
      Itakura Koji、Fujino Naoya、Kamide Yosuke、Saito Ikuo、Yamada Mitsuhiro、Okutomo Koji、Tsukita Yoko、Saito Takuya、Ichikawa Tomohiro、Numakura Tadahisa、Kyogoku Yorihiko、Aizawa Hiroyuki、Ono Yoshinao、Matsumoto Shuichiro、Hussell Tracy、Taniguchi Masami、Ichinose Masakazu、Sugiura Hisatoshi
    • 雑誌名

      Allergology International

      巻: 71 号: 3 ページ: 383-394

    • DOI

      10.1016/j.alit.2022.02.010

    • ISSN
      1323-8930, 1440-1592
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 喘息におけるCD161+制御性T細胞のトランスクリプトーム解析2023

    • 著者名/発表者名
      京極自彦
    • 学会等名
      第72回日本アレルギー学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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