研究課題/領域番号 |
22K16169
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱田 哲 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (20813869)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 閉塞性睡眠時無呼吸 / ミトコンドリア / ミトコンドリアメタボロミクス / 間欠的低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)におけるミトコンドリア障害経路の解明、ミトコンドリア機能を指標としたOSAの機能的重症度の定量的評価、そしてミトコンドリア障害と再生を含めた生体の恒常性の維持との関係を検証するために、独自技術により患者細胞のミトコンドリアを完全体で単離し、ミトコンドリアメタボロミクスを行い、さらにホスト細胞に移入することで新たにミトコンドリア機能を評価する系を作成しOSA患者の機能的重症度を定量化し、バイオマーカーや治療標的を探索する。またミトコンドリア標的型drug delivery systemによる治療モデルを用いてOSA患者細胞の再生を含めた恒常性の回復を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)においてミトコンドリアメタボロミクスを行い、新たなバイオマーカーや治療標的を探索することである。OSAは、睡眠中に繰り返し生じる間欠的/持続的低酸素血症を特徴とするが、鼾だけでなく、不眠、日中の過度な眠気、倦怠感、睡眠休養感の欠如(非回復性睡眠)など様々な症状を呈する。睡眠休養感の欠如や日中の倦怠感などの症状は、OSA合併の有無と関係なくミトコンドリア機能異常との関連性が指摘されている。OSAの治療のゴールドスタンダードは持続陽圧呼吸(CPAP)療法であるが、同治療による上記症状の改善の程度は異なることが知られている。そのためOSAにおいてCPAP療法前後のミトコンドリア機能の変化をより明確に評価できる集団を見出すために、2022年度と同様にCPAP療法を行っている症例の症状に関する調査を行った。結果、CPAP療法を行っている670人の患者において、アドヒアランス良好である割合は69.7%であったが、睡眠休養感が得られている頻度は14.3%であった。またCPAP療法を行っている386人の患者において、CPAP療法前後の日中の眠気について調査を行った所、CPAP療法後も日中の眠気が残存している(残遺眠気)頻度は9.4%であった。いずれも論文を作成、投稿し、受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
以上の結果から、OSAが非常にヘテロな集団であることが判明し、ミトコンドリアメタボロミクスを行う上では症状の推移に注目する必要があることが判明した。そのため現在メタボロミクスを行う研究の倫理委員会申請書を作成中である。また並行して、より効率的なミトコンドリア単離技術の確立を目指した検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
CPAP療法中の症例の症状に関する調査を行った結果、OSAが非常にヘテロな疾患であることが判明した。そのためミトコンドリアメタボロミクスを行う上では、症状の推移に注目して症例集積を行う必要があり、その点も踏まえて倫理委員会申請書を修正する必要があり、現在作成を行っている。また並行して、より効率的なミトコンドリア単離技術の確立を目指した検討を行っている。
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