研究課題/領域番号 |
22K16174
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大石 景士 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60771409)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性呼吸器疾患 / 健康寿命 / フレイル / 身体活動性 / GDF-15 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会である本邦において、身体非活動性やフレイルをきたし「健康寿命の延伸」を妨げる慢性呼吸器疾患の有病者人口は増加している。申請者はこれまでに息切れ評価法の開発や老化関連液性因子などを用いて呼吸器疾患が身体非活動性やフレイルに至る病態の解明を行ってきた。そこで、①医師の主観的判断による健康寿命予測の一致度の検討、②多面的解析による健康寿命喪失過程の解明、③簡便で誰もが評価可能な健康寿命予測システムの構築といった本研究を着想した。本研究によって慢性呼吸器疾患患者の健康寿命喪失過程が明らかになり、簡便な健康寿命予測システムが構築されることで、診療効率の向上や健康寿命の延伸が期待できる。
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研究実績の概要 |
令和5年度には慢性呼吸器疾患のうち、間質性肺炎患者とCOPD患者において、健康寿命と関連の深いフレイルに関して合併率やフレイル検出に有用な指標を検討した。 まず、間質性肺炎患者におけるフレイル合併率の頻度の検討と、フレイル合併評価に有用な指標を検討した。自験例における間質性肺炎患者130例において健常、プレフレイル、フレイルの割合を調査したところ、29.2%、39.2%、31.5%の順であり、プレフレイルとフレイルの患者割合が多かった。また、フレイルの検出能を検討したところ、%FVCや%DLCOといった呼吸機能の指標と比較して、mMRC、PROMs-Dといった呼吸困難スコアや6分間歩行距離(6MWD)や1分間椅子立ち上がりテストの回数(1STSTr)といった運動耐容能の指標はフレイル予測に有用だった(AUC:mMRC=0.90,PROMs-D=0.93,6MWD=0.86,1STSTr=0.92)。また、mMRCスコアと比較してPROMs-Dスコアはフレイル評価の層別化により有用だった。 次に、COPD患者におけるフレイル合併率の頻度の検討と、フレイルスクリーニングツールとして1分間椅子立ち上がりテストが有用かどうかを検討した。自験例における安静時酸素化が保たれているCOPD患者53例において健常、プレフレイル、フレイルの割合を調査したところ、35.3%、35.3%、29.4%の順であり、プレフレイルとフレイルの患者割合が多かった。1分間椅子立ち上がりテストの回数はフレイルを検出する能力に優れており(cut-off値 21回、AUC 0.92、特異度94.4%、感度 80.0%)、スクリーニングツールとして有用であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画のアウトカム・測定項目に一部変更があり、IRB申請が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
症例蓄積、血清・画像解析等のデータの解析を速やかに進めていく。
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