研究課題/領域番号 |
22K16175
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
赤嶺 孝祐 大分大学, 医学部, 助教 (60799435)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ROCK / 血管透過性 / ARDS |
研究開始時の研究の概要 |
申請者が作製したROCK1/2二重遺伝子欠損マウスでは肺における血液細胞の漏出および呼吸機能の低下が確認され、ROCKが肺の恒常性維持に寄与することが示唆された。そこで本研究ではROCKが個体で肺血管透過性機能を調節するメカニズムを解明することで、培養細胞を用いた研究では未解明であった個体でのROCKの機能を明らかにする。本研究でROCKによる新規の肺血管透過性調節機構が明らかになればARDSなど肺血管透過性調節機能の破綻が原因で引き起こされる疾患の新たな治療基盤構築につながると考えられる。
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研究成果の概要 |
ARDSは肺胞の血管内皮細胞障害により血管透過性が亢進し、血液液体成分が肺胞内へ漏出・貯留することで起こる予後不良かつ死亡率の高い疾患であるが、その機序には不明な点が多く有効な治療方法が少ないのが現状である。そこで、本研究では肺血管透過性の亢進が認められるROCK1およびROCK2ダブルコンディショナルノックアウトマウスを解析することでROCKによる血管透過性制御機構の解明を目指した。その結果、ROCKは細胞接着因子(VE-cadherinやβ-cateninなど)の肺血管内皮細胞膜への局在を制御することで血管透過性の調節に寄与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は肺の血管透過性制御にROCKが寄与することを明らかにした。本研究で明らかとなったROCKの機能をより詳細に解析することでARDSの治療薬開発基盤を構築することが期待される。また、ARDSのみならず敗血症・浮腫・アナフィラキシーショック・がん・糖尿病網膜症など血管透過性制御機構の破綻に起因する疾患の治療法開発への貢献も期待でき、波及効果が高い。 さらに、本研究では従来の培養細胞を用いた研究により明らかとなったROCKの機能とは異なる機能が生体内で認められることを明らかにした。本研究で解析したROCK遺伝子欠損マウスはROCKの分子機能の新しい概念の創出に資することが大いに期待される。
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