研究課題/領域番号 |
22K16180
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
三好 嗣臣 東邦大学, 医学部, 助教 (60833192)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | メタボライト / アミノ酸 / 間質性肺炎 / 急性増悪 / サルコイドーシス / メタボローム解析 / バイオマーカー / 肺線維症 / LC/MS/MS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、間質性肺炎の急性増悪病態におけるメタボローム解析と特異的予後予測因子の発見、さらには急性増悪病態の解明を主目的とする。間質性肺炎の急性増悪はアジア人に多く、慢性的に進行する間質性肺炎患者が、感染などを契機に急激な呼吸不全を呈する致死的な病態である。発症機序も解明されておらず、有効な治療方法もなく、メタボライトを含めた病態生理も不明点が多い。急性増悪を予測する因子や、予後を反映する因子も確立されたものはなく、本研究によって急性増悪におけるメタボライトの動態が明らかになれば、予測因子のみならず新規の治療標的や病態解明にも寄与すると考えられ、臨床的にも大きな意義がある。
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研究実績の概要 |
2022年度に確立された測定系を下に、サンプルのX,Y,Zの血中濃度測定をすすめた。正常コントロール、安定期間質性肺炎、間質性肺炎の急性増悪、サルコイドーシスの患者のサンプルを用いて測定を行う予定とした。測定の過程で、再度測定条件を調整するため、市販のコントロールサンプルとの比較補正を行い、測定値が妥当であろうことを確認した。 測定はそれぞれ約20サンプルずつ程度の解析を行った。 Xの血中濃度は、正常コントロール<安定期間質性肺炎<間質性肺炎の急性増悪サンプルの順番で上昇しており、統計学的に有意な上昇であった。また間質性肺炎の急性増悪のほうがサルコイドーシスよりも統計学的に有意に上昇していた。 Yに関しても正常コントロール、安定期間質性肺炎、間質性肺炎急性増悪で比較を行ったところ、間質性肺炎急性増悪のほうが安定期間質性肺炎より統計学的に有意に低下していた。また間質性肺炎の急性増悪とサルコイドーシスの間には差は見られなかった。Yの傾向として、安定期間質性肺炎では正常コントロールより上昇するものの、急性増悪時には再度低下する傾向がみられた。 Zに関しては正常コントロールよりも安定期間質性肺炎で血中濃度が有意に上昇していたが、ほかは差がみられなかった。 上記の結果から、X/Yの数値をそれぞれ群間比較したところ、間質性肺炎急性増悪のみで統計学的に有意な差がみられ、4群の中では間質性肺炎急性増悪において特異的に上昇している項目と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
測定系の確立の後に実サンプルの測定に移れており、概ね自施設内での測定は終了しつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き残りのサンプルの測定をすすめ、統計学的解析をすすめる。急性増悪の時系列での検討を行い、学会発表や論文発表のための作業を進める。
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