研究課題/領域番号 |
22K16190
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池添 浩平 京都大学, 医学研究科, 助教 (90771733)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 特発性肺線維症 / マクロファージ / 単球 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis; IPF)において、炎症細胞の寄与が知られるもののマクロファージ/単球の病態への関与は充分に解明されていない。本研究の目的は、IPF患者末梢血中の単球及び気管支肺胞洗浄液中のマクロファージから、疾患特異的サブタイプを同定し、疾患進行や予後との関連を明らかにすることである。具体的には①IPF肺組織を用いた遺伝子解析研究から、肺線維化に関連するマクロファージ関連タンパク質を抽出、②マスサイトメトリーの手法を用いて、IPFに特異的な単球・マクロファージサブタイプを同定、③同定したサブタイプと疾患進行や予後との関連を検証する。
|
研究実績の概要 |
本研究では特発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis; IPF)において、単球/マクロファージ系の細胞が、線維化病態へ密接に関与しているとの仮説を検証する。目的としては、IPF患者の末梢血中の単球/マクロファージ系の細胞から、マスサイトメトリーを用いてIPFに特異的なサブタイプまたは関連タンパク質を同定し、さらに、細胞サブタイプや関連タンパク質と、臨床指標や画像指標との関連を検証することである。 2022年度に、細胞数の安定している末梢血単核細胞PBMCを用いて、IPFの単球系サブタイプを分類する方針とし、更に表面マーカーだけでなく、細胞内蛋白も評価し、また患者検体についてはベースライン、6か月後、1年後の検体を縦断的に検討する方針を決定した。 2023年度は再度方針を検討し、貴重な患者検体であり、単球だけでなく、リンパ球や近年IPF病態への関与が報告されているNK細胞等、様々な炎症細胞を網羅的に検討することとした。評価する細胞内蛋白としては、①細胞内代謝(糖代謝、ミトコンドリア内のクエン酸回路、脂肪酸代謝に関わる蛋白)、②酸化ストレスに関連した蛋白、転写因子とし、さらに③NK細胞の機能に関わるマーカーも評価する方針とした。並行して、2023年度の1年間で、13例のIPF症例の末梢血PBMCを採取、保存することができた。従って2024年度は評価する抗体パネルを最終決定し、PBMC検体、京都大学のマスサイトメーターを用いて実験を進めていくことができると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究では、マスサイトメトリーで多種の抗体を分析する予定であり、抗体パネルの選定が最も重要な過程である。特発性肺線維症は希少疾患であり、また貴重な患者検体を有効活用するため、分析する細胞表面マーカー及び細胞内蛋白の検討を慎重に行う必要があり、時間を要した。また特発性肺線維症は希少疾患であり、患者検体の取得にも時間を要した。2023年度で概ね抗体パネルを決定することができたこと、また学外の研究機関の協力も得る予定であること、患者検体が一定数集積できたことで2024年度に進捗する準備は整っている。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、実際に評価する細胞表面マーカーと細胞内蛋白を選定し、学外研究機関の協力を得て抗体パネルを最終決定する。次に実際に保存している患者検体を用いてマスサイトメーターで分析し、まず特発性肺線維症患者のベースラインでの評価を行なう予定である。
|