研究課題/領域番号 |
22K16191
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
曽根 尚之 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (50940128)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 線毛機能不全症候群 / 線毛協調運動 / Readthrough化合物 / ハイスループットスクリーニング / Probable PCD / 線毛上皮細胞 / 平面内細胞極性 |
研究開始時の研究の概要 |
線毛機能不全症候群の診断にはゴールドスタンダードとなる検査がなく、約30%の症例が未診断で有効な治療薬がないことが問題となっている。病態解明にはマウスなどのモデル生物が用いられてきたが、ヒトとはゲノムが異なる事や治療薬のスクリーニング検査への応用は難しかったため、線毛機能不全症候群の患者由来の線毛上皮細胞が必要不可欠である。しかし、線毛上皮細胞の採取は侵襲性を伴う検査であり繰り返し細胞を得ることは困難で、細胞を長期間維持培養する事や培養皿内で平面内細胞極性を制御することも困難であり、線毛の協調運動を評価するには従来の培養法では不可能だった事から病態解明や診断法を確立し、治療薬の開発を進める。
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研究成果の概要 |
線毛機能不全症候群(PCD)が疑われるが確定診断ができないProbable PCDの患者から樹立した疾患iPS細胞を気道上皮細胞に分化誘導し線毛機能を評価したところ、線毛機能と構造には大きな異常を認めない事から、線毛協調運動障害によるPCDの可能性を疑った。しかし、In vitroで協調運動を評価する手法が確立されていないため、細胞内線毛協調運動が解析できる方法を構築した。さらに、PCDの新規治療法の候補となるReadthrough化合物を高感度で探索する為に、HiBiT systemを導入した遺伝子改変iPS細胞を樹立し、ハイスループットスクリーニングを行う為の評価系を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PCDが疑われるが確定診断ができないProbable PCDの患者数は少なくなく、確定診断ができないため治療の開始が遅れる事が指摘されている。特にIn vitroで線毛協調運動障害を診断する手法は確立されておらず、細胞内線毛協調運動が解析できる方法は新たな診断方法となりうる。また、PCDの治療は限られており、新規治療法の開発が望まれているが、その開発は遅れている。今回樹立した遺伝子改変iPS細胞を用いて、新規治療薬の候補となりうるReadthrough化合物をハイスループットスクリーニングで有効な可能性が高い化合物を探索し、その有効性が証明できれば社会的な貢献度は大きいと考えられる。
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