研究課題/領域番号 |
22K16193
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川崎 貴裕 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70939587)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | COVID-19 / 難治化 / プロテオミクス / 血清細胞外小胞 / シングルセル解析 / エクソソーム / 重症化予測 / バイオマーカー / 個別化医療 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による医療崩壊の危機的状況にあって、重症化メカニズムの解明および重症化予測の診断マーカーの開発は、急務である。申請者らは、これまで末梢血由来の細胞外小胞 エクソソームについて最新プロテオミクスを駆使して、呼吸器疾患患者検体において血清プロテオミクスでは捉えられない幅広い蛋白質を多数同定し、新規バイオマーカーを次々に同定してきた。今回、申請者らが創出してきた戦略に加え、ゲノム解析・トランスクリプトーム解析も加えたマルチオミクスを活用してCOVID-19肺炎重症化のメカニズムに迫り、重症化予測に有用な画期的バイオマーカー探索・病態解明に挑戦する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、血清細胞外小胞(EV)の最新プロテオミクス、トランスクリプトーム解析を含むマルチオミクス解析を駆使してCOVID-19肺炎の診断・病勢把握・治療反応性に有用なバイオマーカー(BM)探索に挑戦することで、重症化予測因子解明や新規病態の解明、治療応用を目指すものである。そこで、我々は、COVID-19患者のうち、中等症、重症患者、健常の血清からEVを単離し、網羅的探索としてノンターゲット質量分析(DIA法)を提出して多数の血清蛋白を同定した。その中から、重症例のうちステロイド治療抵抗性だった難治例と、非難治例とを比較することで、難治化BM分子:MACROH2A1を同定した。この分子は、同時に採取していた末梢血単核球(PBMC)のシングルセル解析(scRNA-seq)、また公開データのCOVID-19肺炎の肺組織scRNA-seqにおいて、単球・マクロファージで有意に発現が上昇していた。またパスウェイ解析、分子ネットワーク解析では、単球中のMACROH2A1に関係するパスウェイが血清プロテオームに反映されていた。同時に、in vitroで、単球のセルラインにTLRリガンド・IFNγ刺激を加えると実際にこの分子が誘導されてくることが判明した。したがって、MACROH2A1は、難治化BMであると同時に、単球において重症COVID-19の病態に関与している鍵分子であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一昨年度に、オミクス解析より同定した、COVID-19難治化バイオマーカー分子について論文化、特許出願を果たした(Kawasaki T, et al. Inflamm Regen. 2022;42(1):53.、特許出願 2022-167186)。この成果につき、International Society for Extracellular Vesicles (ISEV) 2023 annual meeting(2023年5月)、第44回日本炎症・再生医学会(2023年7月)で発表をおこなった。後者では、優秀演題として表彰された。
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今後の研究の推進方策 |
より大規模な症例数でも同様の傾向が検証できるのか、ELISAなど実臨床の現場で利用できる測定系でも検出可能かを検討するため、追加で検体を収集し、解析をおこなっていく。
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