研究課題/領域番号 |
22K16197
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
錦織 博貴 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50724548)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 濾胞性ヘルパーT細胞 / 制御性B細胞 / 特発性肺線維症 / 抗線維化薬 |
研究開始時の研究の概要 |
ピルフェニドン導入予定のIPF患者の末梢血からリンパ球を分離し、フローサイトメトリーを用いて、Tfh細胞数、その活性化割合、Tfhサブセットプロファイル、Breg細胞数を測定する。ピルフェニドン導入6ヶ月後、1年後にそれぞれ同様の測定を行い、これらがどのように変化しているかを検討する。同時に炎症性、線維化性サイトカインも測定し、リンパ球との相関を検討する。またピルフェニドンの効果との関係を調べるため、呼吸機能検査の変化と上記の測定結果との相関を調べる。
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研究実績の概要 |
特発性肺線維症患者(IPF)において末梢血の制御性B(Breg)細胞が著減しており、また濾胞性ヘルパー(Tfh)細胞やそのサブセットの活性化に異常があることが報告されている。抗線維化薬であるピルフェニドンとニンテダニブはIPFに対する唯一エビデンスのある治療薬であるが、IPF患者のリンパ球免疫系にどのような影響を与えるかは知られておらず、今回の研究で明らかにする。本研究により、治療薬の新しい作用機序が明らかにされ、また新しい治療の開発へと発展することが期待される。 抗線維化薬導入予定のIPF患者の末梢血からリンパ球を分離し、フローサイトメトリーを用いて、Tfh細胞数、その活性化割合、Tfhサブセットプロファイル、Breg細胞数を測定する。抗線維化薬導入6ヶ月後、1年後にそれぞれ同様の測定を行い、これらがどのように変化しているかを検討する。同時に炎症性、線維化性サイトカインも測定し、リンパ球との相関を検討する。また抗線維化薬の効果との関係を調べるため、呼吸機能検査の変化と上記の測定結果との相関を調べる。 現在まで9名の抗線維化薬が導入されたIPF症例について解析を行なっている。なお、当初予定していたピルフェニドンが投与されるIPF患者が予想よりもかなり少なかったことから(現在まで2例登録)、同じ抗線維化薬であるニンテダニブ投与予定の患者の登録も許容した結果となる。すでに7例は抗線維化薬導入時、6ヶ月後、1年後のリンパ球の解析が終了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗線維化薬導入予定のIPF患者を3年間で30例の登録を目標としていたが、2年間で9例の登録にとどまっている。原因として自施設において条件に合う症例が予想より少なかったことが挙げられる。抗線維化薬の発売開始からすでに10年が経過しており、使用経験がある医師が多くなったため、当院のような専門機関への紹介が少なくなったためと推察している。リンパ球の解析は順調に行われている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度で可及的に多くの症例の組み入れを行う。症例の血清は冷凍保存してあるので、検体が揃い次第、抗炎症性のIL-10濃度、炎症性サイトカインのTNF-α,IL-1,IL-6、線維化のkey moleculeであるTGF-β1,b-FGF,PDGFをELISAによって測定する。また呼吸機能などの臨床データとリンパ球プロファイルの相関を分析し、結果をまとめる。
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