研究課題/領域番号 |
22K16202
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中村 育子 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (80931287)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バート・ホッグ・デュベ症候群 / FLCN遺伝子 / 条件付きノックアウトマウス / scRNA-seq解析 / 嚢胞性肺疾患 / BHD / シングルセルRNAシーケンス / モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
バート・ホッグ・デュベ症候群(BHDS)は線維毛包腫、腎腫瘍、多発肺嚢胞と反復する気胸を呈する常染色体優性遺伝性疾患で、FLCN遺伝子が原因遺伝子とされている。腎臓ではFLCN遺伝子の生殖細胞系列変異に体細胞変異が加わることで、腫瘍が形成される。一方肺では腫瘍ではなく嚢胞を形成されるが、嚢胞形成の機序は明らかではない。申請者はBHDSの肺における嚢胞形成の機序を解明するため、BHDS患者の肺組織のシングルセルRNAシーケンス解析から責任遺伝子を確認し、得られた結果をFlcnノックアウトマウスを用いて検証する。本研究ではBHDSの肺病変の発生機序を解明し、治療標的としての可能性を模索する。
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研究実績の概要 |
①研究の目的:バート・ホッグ・デュベ症候群(BHDS)は線維毛包腫、腎腫瘍、多発肺嚢胞と反復する気胸に特徴づけられる常染色体優性遺伝性疾患で、FLCN遺伝子が原因遺伝子として知られている。肺では嚢胞を形成するが、その機序は明らかではない。申請者はBHDS患者の肺組織のscRNA-seq解析と条件付きFlcnノックアウトマウスを用いた検証からBHDSの肺嚢胞病変の発生機序を解明し治療標的を模索している。 ②研究実施計画:本研究では、A) BHDS肺組織と健常肺組織のscRNA-seq解析を行いFLCN関連遺伝子の発現を比較することで肺の構成細胞ごとの発現変動遺伝子の解析を行い、嚢胞病変形成の責任遺伝子を同定するために、B) 条件付きFlcnノックアウトを行うことで疾患モデルマウスを作成することをおこなった。 A) BHDS肺組織3検体と健常肺組織2検体から各1検体ずつ計2検体の統合解析を実施した。同一細胞クラスターに存在する健常肺とBHDS由来細胞の2群間の遺伝子発現解析を実施し、その結果からFLCN複合体、FLCNノックアウトで発現が変動することが報告されている遺伝子および接着に関与する遺伝子に注目して解析を行った。その結果、細胞接着分子であるCadherinに関連する遺伝子Aが健常肺に比較してBHDS肺で発現が低下していることが示された。 B) Flcn flox/floxマウスにSftpC-CreERT2マウスを交配させることでタモキシフェン誘導によりⅡ型肺胞上皮細胞特異的にFlcnを欠失させる条件付きノックアウトマウス(Flcn flox/flox:SftpC-CreERT2マウス)を作成予定であった。しかし、SftpC-CreERT2マウスとwild type の交配を行ったが、産仔が得られなかったため、現在自然交配から体外受精に変更して、作成を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
BHDS肺組織と健常肺組織を用いたscRNAseq解析は順調に解析を進めており、今後も症例を増やして解析していく計画である。一方で申請者は当初からFlcn flox/floxマウスにSftpc-CreERT2マウスを交配させることでタモキシフェン誘導によりⅡ型肺胞上皮細胞特異的にFlcnを欠失させる条件付きノックアウトを作成予定であったが、Sftpc-CreERT2マウスとwild type の交配を行ったものの、産仔が得られなかったため、現在自然交配から疾患モデル研究センターの協力の下、体外受精に変更を行う必要があったため、当初の計画よりやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
A) BHDS肺組織と健常肺組織のscRNA-seq解析:BHDSにおける肺嚢胞の形成の成因にはFLCN遺伝子の機能が欠失するで、細胞間接着の異常がおき、細胞を進展ストレスに脆弱にさせることが考えられているため、今回の遺伝子Aは注目遺伝子の候補となる。さらに検体数を増やして、解析の再現性を調べるとともに、他に注目遺伝子がないかを検索していく。 B) 条件付きFlcnノックアウトマウスの作成:先行研究において生後6週からFlcnをⅡ型肺胞上皮細胞特異的にノックアウトしたマウスにおいて肺胞腔の拡大が確認されている。今回はより早い時期、可能であれば胎生期から母体にタモキシフェンを腹腔内投与することで、FlcnをⅡ型肺胞上皮細胞特異的にノックアウトして、肺嚢胞の再現が可能か形態学的評価およびマウスの呼吸機能を解析するFlexiVentを用いて機能的評価を行う。また、scRNA解析で注目された遺伝子Aの発現についてマウスモデルにおいても発現解析を行う。 C)患者検体での証明:今後の展望:申請者の施設ではこれまでBHDS患者の多くの診療実績があり、多くの手術検体を有している。上記のscRNA-seq解析とマウス実験から得た知見を、他のBHDS患者肺を用いて免疫組織化学染色を行い、健常肺と比較して発現レベルが変化していることを確認する。
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