研究課題/領域番号 |
22K16206
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
張 萌琳 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (50936317)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 肺腺がん / 若年発症 / AYA世代 / 生殖細胞系列バリアント / 肺腺癌 / 生殖細胞系列変異 |
研究開始時の研究の概要 |
若年発症の肺腺がんに対する治療や予防に関するエビデンスは少なく、生存率の改善も乏しい。本研究では若年発症肺腺がん症例に対して、血液または非腫瘍組織DNAの全エクソーム/全ゲノムシークエンスデータ等を用いて、若年発症肺腺がんの発症に関わる遺伝性腫瘍関連遺伝子のバリアントの頻度、新規バリアントの候補を同定した。本研究を通して同定された既知の遺伝性腫瘍関連遺伝子のバリアントや中等度リスクとなりうる新規バリアントについて、生涯発症リスクの推定やがん組織検体を用いた体細胞変異解析を行い、予防法や治療選択に関する基盤的情報の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
16歳から40歳までに発症する若年がんに対する治療や予防に関するエビデンスは少なく、ここ20年間の5年生存率の改善は認められておらず、若年がんに対する予防法の提言や治療標的の同定はアンメット・メディカル・ニーズが高い領域である。 肺がんは一般的に喫煙などの環境要因が発症リスクに強く関与することが知られているものの、若年発症肺腺がんでは非喫煙者女性および進行がんが多いなど、他の世代とは異なる特徴が報告されている。したがって、喫煙などの環境曝露以外に遺伝的要因が関与している可能性が考えられる。これまで、アジアからの若年発症肺腺がんに特有の遺伝的要因に関する報告はなかった。 当研究室では多施設共同研究により、若年肺腺がん345例由来の血液DNAを用いた全エクソンシークエンスおよび全ゲノムシークエンスを実施して、症例対照研究によりオッズ比で2倍以上の機能失活型に関わる生殖細胞系列バリアントを同定した。本研究では、既に候補として同定した機能失活型バリアントに着目して、①40歳以降の肺がん症例における機能失活型バリアントの頻度の算出(若年がん特異的であるか?)、②得られた頻度データからの生涯発症リスクの算出、③がんゲノムシグネチャーからの治療選択性の可能性を検討している。 本研究により、5年生存率が改善されない若年がんに対する基盤的情報の構築を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生殖細胞系列バリアントに関するデータ解析はほぼ終了している。体細胞バリアントの情報収集にあたり、検体の選定と全ゲノムシークエンスに時間を要した。当初の予定より遅れたものの、現在はシークエンスが終了している。
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今後の研究の推進方策 |
基盤となるシークエンスやデータ解析は済んでおり、現在論文発表のための図表を作成している。今後は細かいデータ解析を追加しつつ、具体的に論文執筆を進めていく。
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