研究課題/領域番号 |
22K16218
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
青砥 悠哉 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30857602)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | COL4A5 / non-Gly変異 / スプライシング / 三次元構造解析 / Proline / Hydroxyproline / COL4A5遺伝子 / アルポート症候群 / Non-Glycine ミスセンス変異 |
研究開始時の研究の概要 |
X染色体連鎖型アルポート症候群はIV型コラーゲンα5鎖をコードするCOL4A5遺伝子の異常で発症する遺伝性腎疾患である.α5鎖は,α3/4鎖とともに三量体を形成し,それぞれのα鎖に発現するグリシン(Gly)が三量体構造の安定性に重要であり,Glyが他のアミノ酸に置き換わる変異の大部分は病的変異となる.一方,Gly以外のアミノ酸が他のアミノ酸に置き換わる変異(non-Gly変異)の報告もあるが,その発症機序や三量体構造への影響などは不明である.本研究では,non-Gly変異のコラーゲン蛋白三量体構造への影響,発症機序と臨床的重症度の解明,更にはそれらに対する特異的治療法の開発を目指す.
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研究実績の概要 |
自件例と既報の疾患データベースであるHuman Gene Mutation Database(HGMD)に登録されている変異から、COL4A5遺伝子のCollagenousドメイン内に存在するnon-Gly変異を計43変異抽出し、その中から病的変異として信頼性の高い21変異を対象変異として解析を行った。まず、対象変異に対して、自件例では患者血液から抽出したゲノムDNAを用いて、HGMDに登録されている変異はMutagenesisにより対象変異をコントロール検体に導入し、それぞれをminigene constructを用い て解析を行った。結果、21変異中、9変異でスプライシング異常が発症機序に関与していることを明らかにした。次に、スプライシング異常が否定的な変異の特徴を確認した所、12変異中、6変異はProline(Pro)のミスセンス変異であり、全てがY位に位置していた。Collagenousドメインでは、Gly-X-Y(X, Yは何らかのアミノ酸)とGlyが規則正しく3つ毎に繰り返し位置し、Y位にProが位置する場合は、翻訳後修飾によりProがHydroxyproline(Hyp)に置換され、Collagen蛋白の安定性に寄与していると報告されている。そのため、三次元構造解析を行いHypの機能を評価した。結果、ProはHypに翻訳後修飾されることで、Collagen分子の安定性に寄与していることを確認した。続いて、Y位に位置するProが置換されたミスセンス変異でも三次元構造解析を行った。末期腎不全到達年齢が早期の重症3変異に関しては、三次元構造解析でも安定性に強い影響を認めたが、軽症変異に関しては、評価困難であった。その他、2変異がCollagenousドメインでGlycin(Gly)が規則正しく3塩基毎に繰り返さないinterrupted domain内の変異であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
対象変異の抽出やスプライシング解析は既に終了しているが、Gly-X-Y(X, Yは何らかのアミノ酸)とY位に位置するProのミスセンス変異の病原性評価として行っている三次元立体構造解析で、表現型が重症な変異に関しては、立体構造の安定性の低下を認め、評価できているが、継承変異に関しては、正常バリアントと差がでず、解析方法を検討中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
X連鎖型アルポート症候群の軽症例データを集めて、Y位に位置するProのミスセンス変異の軽症型と正常バリアントを比較し、構造解析を行うことで病的バリアントかどうかを判断できるとうに三次元立体構造解析の解析方法を再度検討する。
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