研究課題/領域番号 |
22K16225
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
駒田 敬則 自治医科大学, 医学部, 講師 (90824730)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 炎症 / 低カリウム血症 / 慢性腎臓病 / インフラマソーム / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
是正困難な低カリウム血症(低K血症)は、感染症や心疾患の死亡リスクを上昇させるだけでなく、低K血症性腎症を発症して慢性腎臓病(CKD)に進展しうる。インフラマソームは細胞内カリウム流出によって活性化され、炎症と細胞死を誘導するが、生体のカリウム異常との関わりはわかっていない。本研究では、レポーターマウスを用いた低K血症動物モデルとヒト患者検体で、インフラマソーム形成とその役割を解析し、生体レベルでの低K血症とインフラマソーム形成との関連を証明する。さらに、インフラマソーム形成を制御するカリウム経路を特定することで、低K血症における自然免疫異常の機序を解明する。
|
研究実績の概要 |
是正困難な低カリウム血症(低K血症)は、感染症や心疾患の死亡リスクを上昇させるだけでなく、低K血症性腎症を発症して慢性腎臓病(CKD)に進展しうる。低K血症性腎症は、組織学的に尿細管間質の細胞死・炎症・線維化や嚢胞形成を特徴とするが、その発症機序は不明である。 インフラマソームは細胞内カリウム流出によって活性化され、炎症と細胞死を誘導することから、低K血症におけるインフラマソームの関与を考えた。本研究では、K欠乏食を用いて低K血症動物モデルを作製し、その解析を行った。K欠乏食により、すみやかに腎組織のK低下が認められた。次に、野生型とインフラマソーム関連分子(NLRP3、ASC、Caspase-1/-11)の各ノックアウトマウスを用いて比較した。野生型では腎障害と炎症が認められた一方、NLRP3欠損、ASC欠損マウスでは腎障害と炎症が著減したが、Caspase-1/-11欠損では軽減しなかった。この炎症細胞浸潤は、免疫担当細胞のNLRP3・ASCに依存しないことが判明した。レポーターマウスの実験では、インフラマソームの形成が認められず、インフラマソームに依存しないNLRP3・ASCの働きが考えられた。マウスとヒトの初代細胞を用いた細胞実験において、低K培地によって炎症経路が活性化し、低K環境自体が炎症を惹起することがわかった。またこの炎症は、NLRP3・ASC依存的であることも判明した。さらに低K環境に関与する分子機序を解明し、ヒト低K血症性腎症の解析を行う予定である。
|