研究課題/領域番号 |
22K16244
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
莖田 昌敬 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00709602)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | メガリン / 横紋筋融解症 / ASO / 腎機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
横紋筋融解症によって細胞外に流出したミオグロビンは、腎臓近位尿細管上の多リガンド受容体であるメガリンを介して細胞内へと取り込まれて毒性を発揮し、臨床上急性腎障害を呈する。対症療法として大量の補液や腎代替療法などが行われるが、未だに横紋筋融解症による急性腎障害への有効な根本的治療は確立されていない。近年、遺伝子改変マウスを用いた基礎研究において、メガリンが治療の標的になりうる可能性が示唆されている。本研究課題では、将来的な新規分子標的薬開発を見据え、メガリンに対する核酸医薬(ASO)が横紋筋融解症による急性腎障害を改善するか、その基盤となる研究を実施する。
|
研究実績の概要 |
研究実績の概要 本研究の目的は「横紋筋融解症を呈するマウスモデルを用いて、メガリンASO(アンチセンスオリゴヌクレオチド)の腎障害に対する有用性を検討すること」である。この目的を達成するために、①メガリンASOがどのような時間経過でメガリン蛋白質発現を抑制するか?②メガリンASOは横紋筋融解症に伴う急性腎障害に対し保護的に働くか?を明らかにすることを目的としてマウスを用いた動物実験を行っている。
① メガリンASOは皮下への投与後、血液を介して各種細胞へと移行する。細胞内ではmRNAとハイブリダイズされ遺伝子発現を抑制した後、蛋白質合成を低下させる。一方で、近位尿細管の細胞膜上に発現しているメガリンはリガンドとの結合後、エンドソームとして一旦は細胞内に取り込まれるが、再度リガンドと離開し、一部は細胞膜上へとリサイクルされる。以上のことから、ASO投与後から蛋白質の発現が低下するまでの間、一定の時間が必要と推測されるが、生理的なメガリンの半減期は知られていない。そのため、R4年度はメガリンASO単回投与後の遺伝子(mRNA)についてqPCRで経時的な量的変化を確認した。R5年度には複数回投与によるメガリン発現への影響を明らかにした。 ②メガリンASOは横紋筋融解症に伴う急性腎障害に対し保護的に働くかを検討するために、まずは50%グリセロールの両側下腿への筋肉注射により横紋筋融解症を誘導する、横紋筋融解症モデルマウスの確立を図った。当初予定していたグリセロール投与量では死亡率が高く、安定した横紋筋融解症モデルマウスの作成が困難と判断し、再度、グリセロール投与量の調整を行い、安定した横紋筋融解症モデルの作成を確立できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物施設内で感染症が発生し、一定時期動物実験の実施が困難であったため
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度であり、本研究の目的である横紋筋融解症を呈するマウスモデルを用いて、メガリンASO(アンチセンスオリゴヌクレオチド)の腎障害に対する有用性を検討する。確立した横紋筋融解症マウスモデルに対してメガリンASOを投与して腎障害の改善の程度を評価する。もし、ASO投与が有用であれば、腎障害改善の機序について解析を行う予定である。
|