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サルコペニアをともなう慢性腎臓病における六君子湯の腎保護効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K16247
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53040:腎臓内科学関連
研究機関横浜市立大学

研究代表者

金口 翔  横浜市立大学, 医学部, 助教 (30846986)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード慢性腎臓病 / サルコペニア / 六君子湯 / グレリン / 筋腎連関
研究開始時の研究の概要

CKDでは,低栄養,蛋白分解系の亢進が予後を悪化させており,サルコペニアが問題になっている.骨格筋から分泌される多種のサイトカイン(マイオカイン)には腎保護効果があることも報告されている.さらに近年,摂食促進ホルモンのグレリンが,低栄養状態の改善と同時に,腎局所で酸化ストレス・炎症・線維化を抑制することが報告されている.本研究では,漢方薬「六君子湯」のグレリン活性化作用に着目し,サルコペニア合併CKDモデル動物,グレリン受容体阻害薬,ヒト腎生検組織を用いて,六君子湯の①低栄養・サルコペニア改善作用による筋腎連関を介した腎保護作用,②腎に対する直接的な保護作用を明らかにすることを目的とする.

研究実績の概要

本研究では、六君子湯が、慢性腎臓病(CKD)病態下において、グレリン系を活性化し、低栄養改善作用、サルコペニア改善作用、腎における抗炎症作用を介し、腎保護作用を発揮するという仮説をたて、サルコペニア合併CKDモデル動物、グレリン受容体阻害薬、ヒト腎生検組織を用いて、分子レベルでの作用機序を明らかにすることを目的として立案した。まず、サルコペニア合併CKDモデル動物におけるグレリン系の発現調節の検討をおこなうため、CKDモデル動物の作成をおこなった。129/Svマウスに対し、5/6腎臓摘出術を施行し、3ヶ月間高蛋白食負荷を行い、血圧、腎機能、腎組織学的傷害を評価した。具体的には、129/Svマウスを用い、①Sham手術+通常食群(Sham手術+通常食)、②Sham手術+高蛋白食負荷群(Sham手術+高蛋白食飼育群(術後2週間後から12週間負荷))、③CKDモデル+通常食群(5/6腎臓摘出術+通常食)、④CKDモデル+高蛋白食飼育群(5/6腎臓摘出術+高蛋白食飼育(術後2週間後から12週間負荷))の4群を用意した。観察期間中に体重や血圧などの生理学的データを取得し、高蛋白食(または通常食)負荷12週間後に解剖を行い、解剖時の標本で腎機能、腎病理所見などを解析した。5/6腎臓摘出術群ではSham手術群と比較して、血圧上昇、腎機能低下、糸球体障害と尿細管障害といった組織学的な腎障害を認めた。さらに、高蛋白食負荷をすることで、5/6腎臓摘出術群の体重増加量の減少、アルブミン尿や糸球体障害の増悪を引き起こした。以上より、今回作成した5/6腎臓摘出術+高蛋白食飼育モデルは、サルコペニア合併CKDモデルとなりうる可能性が示唆された。今後、同モデルの骨格筋機能関連指標、骨格筋における関連分子発現解析、サルコペニア関連指標を解析し、六君子湯の治療効果について比較検討する方針である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

5/6腎臓摘出術+高蛋白食飼育によりCKDモデルの作成に成功している。
5/6腎臓摘出術群ではSham手術群と比較して、血圧上昇、腎機能低下、糸球体障害と尿細管障害といった組織学的な腎障害を認められている。さらに、高蛋白食負荷をすることで、5/6腎臓摘出術群の体重増加量の減少、アルブミン尿や糸球体障害の増悪を引き起こすことも確認された。以上より、今回作成した5/6腎臓摘出術+高蛋白食飼育モデルは、サルコペニア合併CKDモデルとなりうる可能性が示唆されている。

今後の研究の推進方策

今後、5/6腎臓摘出術+高蛋白食飼育モデルの骨格筋機能関連指標、骨格筋における関連分子発現解析、サルコペニア関連指標を解析し、六君子湯の治療効果について比較検討する方針である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Effects of a High-Protein Diet on Kidney Injury under Conditions of Non-CKD or CKD in Mice2023

    • 著者名/発表者名
      Shohei Tanaka, Hiromichi Wakui, Kengo Azushima, Shunichiro Tsukamoto, Takahiro Yamaji, Shingo Urate, Toru Suzuki, Eriko Abe, Shinya Taguchi, Takayuki Yamada, Ryu Kobayashi, Tomohiko Kanaoka, Daisuke Kamimura, Sho Kinguchi, Masahito Takiguchi, Kengo Funakoshi, Akio Yamashita, Tomoaki Ishigami, and Kouichi Tamura
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 号: 9 ページ: 7778-7778

    • DOI

      10.3390/ijms24097778

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 5/6腎摘CKDモデルマウスを用いた、非CKDおよびCKDの条件下での腎障害に対する高蛋白食の影響について2023

    • 著者名/発表者名
      田中翔平,涌井広道,大上尚仁, 浦手進吾,小林竜,小豆島健護,田村功一
    • 学会等名
      第58回日本臨床分子医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 5/6腎摘CKDモデルマウスを用いた、非CKDおよびCKDの条件下での腎障害に対する高蛋白食の影響について2023

    • 著者名/発表者名
      田中翔平
    • 学会等名
      第58回日本臨床分子医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 5/6腎摘CKDモデルマウスを用いた高蛋白食負荷が腎障害に及ぼす影響についての検討2022

    • 著者名/発表者名
      田中翔平
    • 学会等名
      第65回日本腎臓学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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