研究課題/領域番号 |
22K16254
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
山口 真 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60837954)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ANCA関連血管炎 / バイオマーカー / Glycocaryx / ヒアルロン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
ANCA関連血管炎に対する治療法は確立されておらず、その背景に疾患活動性を鋭敏に反映する優れたバイオマーカーが存在しないことが挙げられる。近年、血管内皮上に存在するGlycocalyxは、内皮細胞障害時に速やかに血中に遊離することから、内皮細胞障害のバイオマーカーとして注目されているが、ANCA関連血管炎における検討は世界的にも皆無である。本研究では、血管炎の病態悪化を早期に同定できる新規バイオマーカーとしてGlycocalyxの有用性を検討する。本研究を足掛かりとして、ANCA関連血管炎の病態解明、安全で効果的な治療方法の確立、ひいては生命予後改善を目指す。
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研究実績の概要 |
ANCA関連血管炎は、好中球による血管内皮細胞障害を起点として、全身の小型血管に炎症を生じる生命予後不良の難治性自己免疫疾患である。依然として治療法は確立されておらず、その背景に疾患活動性を鋭敏に反映する優れたバイオマーカーが存在しないことが挙げられる。近年、血管内皮上に存在するGlycocalyxは、内皮細胞障害時に速やかに血中に遊離することから、内皮細胞障害のバイオマーカーとして注目されているが、ANCA関連血管炎における検討は世界的にも皆無である。本研究では、血管炎の病態悪化を早期に同定可能な新規バイオマーカーとしてのGlycocalyxの有用性を検討する。 本研究では、Glycocalyxの評価として、その構成成分であるヒアルロン酸に焦点当てた。 ANCA関連血管炎診断時の血清ヒアルロン酸濃度を測定し、腎生検組織の糸球体におけるヒアルロン酸の免疫染色の強度を評価した。その結果、ANCA関連血管炎患者では、健常者と比較して血中ヒアルロン酸濃度が有意に上昇していることが示された。 腎生検所見では、正常糸球体において染色性は保たれていたが、壊死性糸球体においては染色性の低下を認め、糸球体の炎症が高度である程、ヒアルロン酸の染色性が低下することが示唆された。今後は症例数を増やして、①血中ヒアルロン酸濃度と血管炎の重症度との関連性、②血中ヒアルロン酸濃度と経過中の疾患活動性及び予後との関連性、③既存のバイオマーカーとの比較について、検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サンプルの蓄積が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は症例数を増やして、①血中ヒアルロン酸濃度と血管炎の重症度との関連性、②血中ヒアルロン酸濃度と経過中の疾患活動性及び予後との関連性、③既存のバイオマーカーとの比較について、統計学的に評価する予定である。
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