研究課題/領域番号 |
22K16260
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
棚橋 華奈 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (70823467)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 常染色体劣性先天性魚鱗癬 / 表皮細胞分化 / 表皮脂質異常 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、常染色体劣性先天性魚鱗癬(autosomal recessive congenital ichthyosis: ARCI)の包括的病態解明と新規治療法開発に直結する基礎的データを得ることを目的とする。具体的には、ARCI表皮モデル及びモデルマウスについて、表皮分化、リゾリン脂質などの脂質メディエーター、サイトカインに関連する遺伝子発現の変化を分析することで、表皮脂質異常が表皮の分化・増殖に影響をもたらすメカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
重症型魚鱗癬の多くの症例が含まれる、常染色体劣性先天性魚鱗癬(autosomal recessive congenital ichthyosis: ARCI)の病因遺伝子としてはABCA12,ALOXE3,ALOX12B,CYP4F22,PNPLA1,SDR9C7等の報告があり、表皮脂質、特にセラミド合成に関連する遺伝子の関与については少しずつ明らかになってきているが、表皮脂質の異常が魚鱗癬の臨床像を来すそのメカニズムについてはまだ不明な点が多く、根治療法も確立されていない。セラミドは表皮透過バリアの構成成分となるだけでなく、表皮における情報伝達をつかさどるメディエーターとしての役割もあることが明らかになってきているが、本研究では、近年皮膚や皮膚疾患に対する新しい機能も報告されてきているリゾリン脂質やその関連酵素、シグナル伝達経路について、ARCIの病態とへの関与を明らかにすることを目的とした。本年度は前年度に引き続き、当教室の保有する複数の種類のARCIマウスモデルについて、表皮脂質や皮膚および皮膚附属器の分化に関連する遺伝子および蛋白の発現についての解析、特に表皮におけるリゾリン脂質やその関連遺伝子および蛋白の発現について解析を進めている。また新規ARCI表皮モデル作成にも取り組み継続中である。本研究を通して表皮細胞の分化調節に関わる脂質メディエーターとしてのリゾリン脂質について、リゾリン脂質やその関連酵素、シグナル伝達経路がARCI の病態にもたらす役割について明らかにすることを目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規ARCI表皮モデル作成、脂質解析に遅れが生じている。当教室保有の既存のARCIモデルマウスの解析を並行して進めている。
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今後の研究の推進方策 |
常染色体劣性先天性魚鱗癬(autosomal recessive congenital ichthyosis: ARCI)におけるリゾリン脂質が表皮の分化・増殖に影響をもたらすメカニズムの解明のため、研究代表者の所属する教室の保有する複数の系統の既存ARCIモデルマウスの皮膚における、リゾリン脂質やその関連遺伝子および蛋白の発現について解析を引き続き行う。また引き続き新規ARCI表皮モデルおよびマウス作製に取り組み、完成と多角的解析を進めていく。
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