研究課題/領域番号 |
22K16276
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
久保田 典子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10844847)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 移植片対宿主病 / レジデントメモリーT細胞 / CD122 / GVHD / メモリーT細胞 / 自己免疫疾患 / CD8T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
血液幹細胞移植後合併症である移植片対宿主病(GVHD)の皮疹は、ドナー由来のCD8+T細胞が表皮角化細胞死を誘導することがその病態の主体であるが、そのCD8+T細胞が皮膚組織中のresident memory T細胞(TRM)として留まるのか、またTRMが皮膚GVHDの慢性化に関与するのかは不明である。皮膚TRMはCD122を発現し、interleukin-15の制御を受け維持されており、本研究では、皮膚GVHDモデルでのTRMの存在の有無を探索し、抗CD122遮断抗体で慢性皮膚GVHD症状の進展が抑制されるか検討する。
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研究成果の概要 |
抗原刺激を受けたナイーブT細胞は、エフェクターT細胞とメモリーT細胞に分化するが、メモリーT細胞のうちレジデントメモリーT(TRM)細胞は臓器中に長く留まる。皮膚中のTRM細胞は様々な皮膚疾患の発症に関与している。一方、CD122はIL-2とIL-15受容体のβ鎖サブユニットで、TRM細胞上に発現している。我々は、皮膚中のCD8+TRM細胞へのCD122の刺激が、皮膚移植片対宿主病(GVHD)の進展に関与しているかを調べる実験を行い、皮膚中のCD8+TRM細胞が、部分的に皮膚GVHDの進展に関与しており、CD122をブロックすることが、皮膚GVHDの治療方法になり得る可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は皮膚GVHDモデルマウスを用いた研究において、移入したドナーT細胞の一部が皮膚TRMとなって皮膚に残存し、慢性化して持続した皮膚症状を形成し、皮膚の線維化に関与していることを解明した。さらにその機序は、抗CD122抗体の投与で抑制されることを証明した。慢性化する皮膚自己免疫疾患のプロトタイプである、皮膚GVHDにおける皮膚TRMの機能を解明した報告はこれまでになく、CD122が、皮膚GVHDに対する新たな治療ターゲットとなり得る可能性を示した。
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