研究課題/領域番号 |
22K16278
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 由里子 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (70915272)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | MRSA / アウトブレイク / 多剤耐性菌 / NICU / エピゲノム / 院内感染 |
研究開始時の研究の概要 |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は皮膚の重症感染症の原因となる他、アトピー性皮膚炎を悪化させるなど皮膚に悪影響を及ぼす細菌の代表であり、アウトブレイクがしばしば問題となっている。一般的な対策として現在行われている医療従事者の接触感染対策や抗生剤使用ではアウトブレイクを十分に予防・制御することはできていない。代表者は最近、MRSA株がエピゲノム進化によって抗生剤寛容性、外来遺伝子取り込み能、バイオフィルム産生能を獲得しつつアウトブレイクを引き起こしたことを突き止めた。本研究ではアウトブレイクを起こす細菌の特徴を明らかにし、アウトブレイクの予防や制御につなげるという新しいアプローチを行う。
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研究成果の概要 |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は皮膚の重症感染症の原因となる他、病院内でアウトブレイクを起こし免疫不全の患者に時に致死的な感染症を引き起こすこと世界中で問題となっている。代表者グループは、単施設内で1つのMRSA株がエピゲノム的な修飾によって抗生剤寛容性、外来遺伝子取り込み能、バイオフィルム産生能を獲得しつつアウトブレイクを引き起こしたことを突き止めた。本研究では病院適応型の菌株でメチル化様式に関わる遺伝子の欠損株を解析することで、アウトブレイク株の臨床的特徴を引き起こした遺伝子やエピゲノム進化を推し進めた責任遺伝子を解明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではMRSAのゲノム、エピゲノム解析技術によって、アウトブレイクを起こす細菌側の特徴を明らかにするという新しいアプローチを行った。複数のエピゲノム解析を組み合わせた結果、アウトブレイクを起こした株のメチル化の特徴を同定することができた。また、そのエピゲノムパターンを促すメチル化遺伝子を一部特定することもできた。本研究の知見により今後、アウトブレイクを起こしやすい株をモニタリングするシステムを構築することや、進化の獲得を促した環境因子を明らかにして細菌学的根拠のある予防法や治療法の確立に繋げることが期待できる。
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