研究課題/領域番号 |
22K16294
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野 浩弥 東北大学, 大学病院, 医員 (80930445)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | フェロトーシス / X連鎖性鉄芽球性貧血 / ALAS2 / フェリチン / フェロポーチン / 遺伝性鉄芽球性貧血 / 赤血球 / モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
X連鎖性鉄芽球性貧血(XLSA)は赤血球型5-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS2)をコードする遺伝子の変異を原因とする難治性貧血であある。半数の患者がビタミンB6によって貧血が改善する一方、それ以外の半数では有効な治療法がない。本研究では、赤血球造血過程での鉄依存性細胞死(フェロトーシス)および全身の鉄代謝制御とXLSAの病態の関連を解析する。Alas2ミスセンス点変異を導入したXLSAモデルマウスを作成しその表現型を解析するほか、フェロトーシス阻害剤およびヘプシジンmimicsのXLSAに対する有効性を確認する。本研究を通しXLSAの新しい治療法が開発され疾患予後の改善が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究ではX連鎖性鉄芽球性貧血(X-lineked sideroblastic anemia:XLSA)モデルマウスの作成と解析を主目的とした。予備実験でimproved genome-editing via oviductal nucleic acids delivery(i-GONAD)法によるAlas2遺伝子改変が可能であることを確認した後、遺伝子導入条件の最適化を行ってAlas2 R170LおよびR170H変異を持つマウスの作出を試みた。しかし、いずれのモデルも生後表現型解析が困難であることがわかった。 赤血球前駆細胞株human umbilical cord blood-derived erythroid progenitors(HUDEP)-2細胞から樹立したXLSAモデル細胞(ALAS2 R170LおよびALAS2 R170H)の解析では、XLSAではヘム応答性転写抑制因子BACH1の発現上昇がグルタチオン合成低下を介してフェロトーシス感受性増大に関与することがわかった(Ono K et al. Sci Rep 2022)。また、プロテオーム解析をおこなったところ分化後のXLSAモデル細胞ではフェリチン、フェロポーチン、Iron responsive element/Iron regulatory protein(IRE/IRP)といった細胞内鉄バランスの維持機構の有意な発現変化を認めた。また、転写因子NRF1や赤血球造血のマスター制御因子GATA1、フェロトーシス制御因子FSP1の発現が高かった。これらの結果から、XLSAにおいて赤血球前駆細胞では複数のメカニズムでフェロトーシス感受性増大が代償されているとわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者のこれまでの研究でXLSAの病因遺伝子であるAlas2のエンハンサーヘミ欠損マウスは胎生致死であり表現型解析に不向きであることがわかった(Saito K and Ono K et al. Mol Cell Biol 2019)。そこでAlas2の酵素機能が部分的に保たれたAlas2ミスセンス点変異(Alas2 R170LおよびAlas2 R170H変異)マウスを作成後、①XLSAモデルマウスの表現型解析、②フェロトーシスおよび全身の鉄代謝制御を標的とした治療によるXLSA改善効果の解析を行うこととした。しかし、作出したAlas2 R170Lマウスは貧血様の表現型のため生後6日までに死亡し、臨床的にさらに重篤な貧血となるAlas2 R170Hマウスは胎生致死を起こすことが分かった。いずれのモデルも生後表現型解析が困難だったため、計画の一部修正が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
1. XLSAモデルマウスの生後表現型解析が困難であることから、胎児肝臓由来血液細胞および同細胞を移植したレシピエントマウスの骨髄・脾臓の細胞を用いた造血系の解析を進める。 2. XLSAモデル細胞の脱核前後を含む成熟ステージ別の発現解析を行う。
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