研究課題/領域番号 |
22K16307
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
西 由希子 琉球大学, 病院, 医員 (60793924)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | Senolysis / 抗がん剤 / senolysis / 悪性リンパ腫 |
研究開始時の研究の概要 |
グルタミン代謝阻害による老化細胞除去に関する最近の発見に着想を得て高齢者血液悪性疾患における化学療法の有害事象軽減と抗腫瘍効果向上を最適化する学術基盤を構築する。老化細胞由来の種々の老化促進物質を減少させ、全身の生体機能が向上する可能性が注目されている。申請者は、リンパ腫モデル老齢マウスに抗がん剤治療であるCHOP療法とグルタミン代謝阻害薬を併用することにより、CHOP療法単独群と比較し、老化に伴い顕在化しやすい抗がん剤による臓器障害・副作用を軽減し、抗腫瘍効果が増強出来る可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
老齢リンパ腫モデルマウスを①BPTES+CHOP群②BPTES単独群 ③CHOP単独群 ④無治療群にわけ、①及び③にはCHOP療法3コース施行し、①及び②にはBPTESを移植後3週間腹腔内投与した。④全例でEL4生着、腫瘍死を認めたが、②で腫瘍の生着が確認されず長期生存が得られたマウスを1/3に認めた。①では③と比較し、生存に関しては有意な延長を認めなかったが、①で③と比較し血球が高値である傾向を認めた。本研究において、BPTESは抗腫瘍効果と血球減少の軽減をもたらす可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血器腫瘍高齢患者では臓器予備能や併存疾患から抗がん剤を減量せざるを得ない場合、血球減少時の感染症の併発に伴い治療再開が遷延し、dose intensityが維持できない場合、十分な治療ができずに再発する場合も多く、高齢化が著しい我が国において、安全で有効性の高い高齢血液悪性腫瘍患者の治療戦略の確立は急務の課題である。 グルタミン代謝阻害薬によるsenolysisを活用し、高齢造血器腫瘍患者の臓器機能改善を介して、化学療法の有害事象や合併症を軽減し、若年者と同等の強度の治療を行なうことが期待される。加えて、グルタミン代謝阻害そのものによる抗腫瘍効果によって効果を増強できる可能性も期待できる。
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