研究課題
若手研究
近年のゲノム解析の進展により、血液腫瘍・がんの発症・維持に関与する遺伝子異常が複数同定され、それらに対する分子標的薬が開発されてきた。しかし、腫瘍に多様なクローンが存在するために、一部のクローンを分子標的薬で駆逐しても治療抵抗性の他のクローンが増殖し、根治がしばしば困難である。それゆえ、今なお従来の化学療法が欠かせないものとなっている。したがって、本研究ではがん細胞と正常細胞の生存に必須な遺伝子を同定することで、重篤な有害事象を抑えながらも血液腫瘍を主とした多彩ながんに奏功する新規治療法の開発を目指す。
近年、血液腫瘍・がんに対する分子標的薬が開発されてきた。しかし、分子標的薬で治療しても治療抵抗性の細胞が増殖し、根治がしばしば困難である。したがって、本研究ではがんと正常細胞の生存に必須な遺伝子を同定することで、重篤な有害事象を抑えながらも多彩ながんに奏功する新規治療法の開発を目指している。まず、がんのデータベースよりがんの生存に重要な遺伝子を907遺伝子同定した。さらに、造血幹細胞においてスクリーニングを実施し、がんの生存には必須であるが、造血幹細胞の生存には必須ではない49遺伝子と不利な11遺伝子を同定した。今後、同定した遺伝子より有望な治療標的を見出したいと考えている。
日本における死因の第一は悪性新生物、つまりがんである。したがって、がんの治療に貢献する研究は社会的な意義が大きい。本研究成果はがんの生存に必須な遺伝子と正常な造血幹細胞に必須ではない遺伝子を同定することで、がん細胞特異的な治療を目指すもので、本研究の成果は今後の治療困難な広範な種類のがんの治療につながる可能性を秘めている。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
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