研究課題/領域番号 |
22K16340
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江畑 慧 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (80884569)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | B細胞 / 全身性強皮症 / 単一細胞解析 / リツキシマブ / 血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性強皮症は予後不良な自己免疫疾患である。申請者らは世界で初めて、抗CD20抗体製剤リツキシマブによるB細胞除去が皮膚硬化を改善することを医師主導ランダム化プラセボ対照二重盲検試験で示した。しかし、リツキシマブの効果が乏しい全身性強皮症患者も存在し、このような患者群ではRTXによる除去に抵抗性を示すB細胞が組織の線維化に関与すると考えられる。リツキシマブ投与後の全身性強皮症患者の末梢血に残存するB細胞の中から、微小血管モデルを用いて血管内皮細胞と反応する自己応答性B細胞を選別し、それらを単一細胞レベルで解析することで、その病原性を解明し、患者ごとに最適な治療を同定することを目指す。
|
研究実績の概要 |
抗ヒトCD20ヒト・マウスキメラ抗体リツキシマブを用いたB細胞除去療法による皮膚硬化や肺機能の改善の程度が大きかった全身性強皮症患者の群と、同じくリツキシマブでのB細胞除去療法を受けたが疾患改善の程度が相対的に小さかった全身性強皮症患者の群とに分けて、治療後も末梢血中に残存しており、なおかつ微小血管モデル内で血管内皮細胞と反応するB細胞のプロファイルについて解析した。後者の患者群では、前者の患者群に比べると「炎症性サイトカインであるIL-10を産生するB細胞」の「制御性サイトカインであるIL-6を産生するB細胞」に対する比の値が大きかった。 続いて、全身性強皮症のモデルマウスでは、微小血管モデル内で血管内皮細胞と反応する自己応答性B細胞のうち、IL-6産生性B細胞の占める比率がIL-10産生性B細胞の占める比率に対して大きいときに、皮膚や肺における線維化の程度が強く強皮症の病勢に影響していると考えられた。加えて、IL-6産生性B細胞の占める比率がIL-10産生性B細胞の占める比率に対して大きい場合には、B細胞除去療法によって得られる線維化改善効果が比較的乏しかった。 これらの研究成果により、自己応答性B細胞のプロファイルが、全身性強皮症の病勢の程度や治療反応性に影響している可能性が示唆された。炎症性サイトカインを産生するB細胞に特化してアプローチすることができれば、全身性強皮症に対してより有効な治療法を開発できるかもしれない。
|