研究課題/領域番号 |
22K16351
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
橋本 哲平 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00815839)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | EGPA / cell free DNA / EETs / ANCA関連血管炎 |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、好酸球と好中球細胞質抗体が関連する全身性血管炎で、さまざまな臓器障害を来し致死的な経過をたどる場合もある。申請者は細胞外DNA(cfDNA)がEGPAで著増しており、好酸球細胞外トラップによる免疫血栓症のバイオマーカーとなることを報告してきたが、cfDNAの病態への関与は不明である。EGPAは気管支喘息が先行し、その後全身性血管炎を発症するが、この病態移行にcfDNAが関与している可能性が考えられる。そこで本研究では好酸球由来のcfDNAがDNAセンサーを介して炎症を惹起することを明らかにし、EGPAの治療標的としてのDNA阻害の可能性を追求する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は細胞外DNA(cell free DNA: cfDNA)の好酸球多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)における炎症病態への関与を明らかにすることである。これまでの研究では、顕微鏡的多発血管炎(MPA)や多発血管炎性肉芽腫症(GPA)などのEGPA以外のANCA関連血管炎において、血中cfDNAが上昇しており、疾患活動性と関連していた。またcfDNAはTLR9などのさまざまなDNAセンサーで認識され、炎症病態を誘発することが知られていることを考慮すると、EGPAにおいてもcfDNAは疾患の活動性と関連しており、さらに自己DNAの認識が炎症病態形成に関わる可能性がある。 2022年度は「EGPA患者における血中cfDNA」と好中球と好酸球の細胞死の際に放出されるDNAとして「好中球細胞外トラップ(NETs)と好酸球細胞外トラップ(EETs)から放出されるcfDNAの相違」に焦点をあてた。結果としては、EGPA患者における血中cfDNAは他のANCA関連血管炎と比較して有意に上昇しており、疾患活動性と関連していた。またD-dimerなどの血栓形成マーカーとも相関を認めた。興味深いことに、EETsから放出されるcfDNAはNETsから放出されるものと比べてDNaseに難溶性であり、長時間分解されなかった。これが好酸球が関連せず好中球の炎症を主体とするMPAやGPAと血中cfDNAで差でた要因と推測している。さらにEETsは血小板を吸着し血栓形成を促進した。以上のことから、EGPAにおけるcfDNAは病勢を反映し血栓形成のバイオマーカーとなる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、EGPAにおけるcfDNAと好酸球からの放出という課題に対して取り組み、EGPA患者において血中cfDNAが著明に増加していること、そこにはEETsの難溶性が関与していることを明らかにした。すでにEGPAのさまざまな病理組織においてEETsが証明されていることと今回の研究成果をあわせると、EGPAにおいてはEETsからcfDNAが放出されて、分解されずに長時間血中に残存しすることで血栓を誘発するという一連の流れが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に得られた結果に基づき、次はEGPAにおける血中cfDNAが好酸球の由来であるかどうか確認する。臓器ごとにDNAメチル化パターンが異なることが報告されており、最近これを用いて血中cfDNAの起源の特定がなされている。好酸球においてはIL-5などの遺伝子で低メチル化状態であるため、これをもとにしたPCRで解析を行う。またEETsから放出されたDNAがTLR9などのDNAセンサーをで認識されるか、TLR9を発現したHEK293細胞を刺激して、NFκBやIFNγなどの炎症性サイトカインのシグナル伝達をみることで評価する。
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