研究課題/領域番号 |
22K16355
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
駒井 俊彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50803938)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | TGF-β / 全身性強皮症 / 線維化 / 全身性エリテマトーデス / 抑制性サイトカイン / 自己免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
既存治療に抵抗性の全身性強皮症は、免疫学的活性化と線維化を生じる全身性疾患である。TGF-β3は免疫抑制と抗線維化作用を併せ持つサイトカインであるが、その生体内での役割や全身性強皮症病態における役割は不明である。本研究では、コンディショナルノックアウトマウスによる細胞特異的なTGF-β3の生体内解析と、ヒト免疫介在性疾患の免疫担当細胞データベース、validation解析を組み合わせることで、TGF-β3の全身性強皮症を含む自己免疫疾患の病態形成への関与につき解明でき、自己免疫疾患の予防戦略や新規創薬基盤へつなげることを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究ではTGF-β3の全身性強皮症(systemic sclerosis, SSc)の病態形成における役割を明らかとするために、Tgfb3fl/flマウスを対照としてTgfb3fl/flCD4-Creマウスの表現型・免疫学的機能の評価を実施としている。2022年度はTgfb3fl/flCD4-Creマウスでは自然発症としてAshcroftスコアでの半定量的評価で有意な間質性肺炎を生じていること、ブレオマイシン誘導性の強皮症モデルを用いた検討にて誘導性の間質性肺炎が顕著に生じ肺組織の遺伝子発現をqRT-PCRで検討するとCol1a2、Serpine1等の線維化関連遺伝子の発現が上昇していることを報告とした。2023年度はTgfb3fl/flCD4-Creマウスの表現型の背景となる免疫学的特徴の検討を実施とした。その結果、Tgfb3fl/flCD4-CreマウスではSScと関わる自己抗体である抗Scl-70抗体は血清学的に検出されなかったが、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus, SLE)と関わる抗dsDNA抗体は低力価ながら検出を認めた。また、Tgfb3fl/fl-CD4-Creマウスから単離したCD4陽性T細胞ではRorgt、IL17Aの遺伝子発現が上昇し、CD4+CCR6+ T細胞、B220+CD93-IgM+CD21+の割合が上昇し、T細胞、B細胞の割合の顕著な変化を認めた。さらに、SLEのマウスモデルであるMRL/lprマウスでは自然発症として間質性肺炎を生じるが、そのマウスにTGF-β3蛋白を発現するpCAGGS-Tgfb3ベクターを投与することにより、その間質性肺炎は改善を認めた。これらの結果はTGF-β3が自己免疫疾患の病態形成に関わることを示唆しており、TGF-β3のヒト疾患における役割の解析を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
TGF-β3fl/fl-CD4-Creマウスの個体確保と繁殖に一定の時間を要し、2024年度にも継続した実験を要することとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はTgfb3fl/fl-CD4-Creマウスの免疫・線維化能の追加評価に加え、実施中のTGF-β3の役割のヒトにおける検討とを合わせて評価することで、TGF-β3の免疫・線維化能におけるマウス、ヒトの異同、ヒト自己免疫疾患における役割を明らかにすることを考えている。
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