研究課題/領域番号 |
22K16366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
渡邉 萌理 東邦大学, 医学部, 助教 (10726300)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 細胞老化 / senolytics / 間質性肺炎 / 関節リウマチ / Senolytics / SKGマウス |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ (RA) にしばしば併発する間質性肺炎 (RA-ILD) の病因は未だ明らかではない。近年、特発性間質性肺炎に細胞老化が関与することが示されたことから、RA-ILDにも同様の病態が関与する可能性がある。申請者らは、先行研究で、RA-ILDのモデルであるSKGマウスの肺線維化部位に老化細胞が集積することを発見した。この結果をもとに、本研究では、RA-ILDの発症機構を細胞老化の観点から解明する。Senolyticsの投与によるRA-ILDの治療を試みる点にも特徴がある。本研究によりRA-ILDの発症機構に新たな概念が生まれ、老化細胞を標的とした治療法の創出につながる可能性がある。
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研究実績の概要 |
SKGマウスを用いて、関節リウマチに伴う間質性肺炎を発症させ(SKG-ILD)、間質性肺炎に細胞老化の機序が関与するか、病理学的な検討を行った。抗p21抗体、抗p16抗体、抗γH2Ax抗体を用いた免疫染色による検討にて、間質性肺炎を発症している部位に染色される事が判明した。また、増殖のマーカーであるki-67について、抗ki-67抗体を用いて染色したところ染色を認めず、細胞増殖は低下している事が判明した。従って、SKG-ILDは細胞老化を来しているという事が証明された。また、細胞老化を来している細胞を同定するためにFACSを行い、抗p21抗体が陽性となる細胞種の同定を行った。まず、肺組織の細胞をCD45陽性の白血球、CD31陽性の血管内皮細胞、EpCAM陽性の上皮細胞、これらの表面マーカーが全て陰性のtriple negative(線維芽細胞など)にゲーティングし、抗p21抗体陽性となる細胞を確認したところ、全ての細胞種においてp21陽性細胞が認められたが、中でもCD45陽性細胞にp21陽性細胞が多く認められた。また、CD45陽性細胞のサブセットを分けてp21陽性細胞の発現を確認したところ、肺胞上皮マクロファージや間質マクロファージにp21陽性細胞が多く存在する事が判明した。次に、蛍光免疫染色を行い、p21陽性細胞やp16陽性細胞を確認したところ、p21陽性細胞は白血球、血管内皮細胞、上皮細胞の全てで陽性を認めた。一方p16はCD45陽性細胞の内、形態的にマクロファージと考えられる細胞にp16陽性細胞を認めた。従って、SKG-ILDにおいては、白血球、血管内皮細胞、上皮細胞、全てが細胞老化に関わる可能性があるが、白血球のなかではマクロファージが細胞老化に関与している可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SKG-ILDに細胞老化を来している事、細胞老化を起こしている細胞の同定まで行う事が出来ているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は細胞老化を来している細胞をターゲットとし、老化細胞を除去することで間質性肺炎の発症を抑制出来うるか検討する予定。
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