研究課題/領域番号 |
22K16376
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
酒井 純 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20814768)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | マイコプラズマ / ウレアプラズマ / クラミジア / 淋菌 / 薬剤耐性 / 迅速検査 / 性感染症 / フルオロキノロン / gyrA / 一塩基変異 / 薬剤耐性遺伝子 / 迅速遺伝子検査法 |
研究開始時の研究の概要 |
尿路・生殖器における性感染症(STI)の原因微生物であるマイコプラズマ・ウレアプラズマは、培養困難な菌種であり、臨床現場で菌の同定を選択することは困難な状況である。近年、本菌によるSTIと診断された例で、抗菌薬の効果不良例が増加しており、正確な菌の同定と薬剤感受性の判定を可能にする検査法の開発が急務となっている。 本研究課題ではこれら問題を解決するため、マイコプラズマ・ウレアプラズマ・クラミジアを、薬剤耐性遺伝子の変異と同時に検出可能なプライマーを設計し、イムノクロマト試験紙を用いて目視で結果を判定できる検査系を構築することが目的である。
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研究実績の概要 |
尿路・生殖器における性感染症(STI)の原因微生物であるマイコプラズマ・ウレアプラズマは培養困難な菌種であり、臨床現場での迅速な診断・適正治療薬選択が困難な状態である。そのため、症状や臨床経過から本病原体による感染を疑った場合、臨床現場ではクラミジア感染症と同様の治療を行っている。しかし、近年では抗菌薬の効果不良例が増加していることから、迅速かつ簡易的に診断可能な新規検出法の開発が必要な状態となっている。本研究の目標は、マイコプラズマ・ウレアプラズマ・クラミジアを検出すると共に、薬剤耐性に関与する遺伝子変異を同時に検証可能な検査法を作成することである。 当該年度では、マイコプラズマ・ウレアプラズマ・クラミジアに淋菌を加えた4菌種に対して、各菌種のみに反応する特異プライマーを作成した。作成したプライマーを用いたpolymerase chain reaction(PCR)では、尿路・生殖器由来検体から分離されうる黄色ブドウ球菌や腸球菌などの微生物DNAでは高濃度でも反応が見られず、その特異性の高さを確認した。同時に、薬剤耐性の原因として報告されている23S rRNA・parC・gyrA遺伝子の変異を検出するため、Locked Nucleic Acid(LNA)含有プライマーを作成しPCRを行なった場合、当該遺伝子の野生株と変異株の分離が可能であった。作成した各菌種検出プライマーと薬剤耐性遺伝子プライマーを同じ反応液でPCRを行った際、菌種の同定に加え薬剤耐性を生じうる変異株の検出が可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各菌種の特異プライマーの作成に関しては、予定通り検証終了した。一方で、各種薬剤耐性を予測可能な薬剤耐性遺伝子検出プライマーの作成、濃度調整、感度・特異度・検出限界濃度の解析・検証に遅れが生じている。原因としては、最適なLNA含有プライマーの比較・検証に時間が生じているためである。よって、作成したプライマーを用いるmultiplex PCR・核酸クロマトグラフの着手にも遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、引き続き薬剤耐性遺伝子の変異株検出プライマーの作成・検証を行うと共に、multiplex PCR・核酸クロマトグラフ作成に着手する。同時に臨床検体を収集開始し、臨床検体中の目的菌の検出が簡便に可能か検証する。最終的には原著論文・学会発表を行い、研究成果を議論する予定である。
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