研究課題/領域番号 |
22K16392
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉岡 直輝 名古屋大学, 環境医学研究所, 客員研究者 (10943590)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 慢性炎症 / マクロファージ / メタボリックシンドローム / 肥満 / 脂肪肝 / MASH / 非アルコール性脂肪肝炎 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満の脂肪組織と非アルコール性脂肪肝炎の肝臓において、細胞死を核としてマクロファージが集積した微小環境(CLS: crown-like structure)が、慢性炎症の起点となることが明らかになってきた。しかし、CLS形成の分子メカニズムは、未だ不明の点が多い。研究代表者は、免疫シグナル分子DAP12が、脂肪組織と肝臓の両方においてCLS形成に関わることを見出した。そこで本研究では、CLS形成おけるDAP12の意義を明確化するとともに、マクロファージの遊走能や貪食・処理能におけるDAP12の意義を明らかにする。さらに、本研究で明らかになった分子メカニズムについて臨床サンプルを用いて検証する。
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研究成果の概要 |
本研究で、過栄養により誘導される代謝臓器(脂肪組織、肝臓)における慢性炎症と組織リモデリングにおける免疫シグナル分子DAP12の意義を検討した。脂肪組織と肝臓における炎症慢性化の起点として既に報告している微小環境を構成するマクロファージにおいて、DAP12タンパクは特異的に高発現することが明らかになった。また、DAP12が慢性炎症に与える影響は脂肪組織と肝臓で異なることを新たな知見として得た。その分子メカニズムとして、DAP12はマクロファージの遊走能と死細胞貪食能に重要な役割を果たすことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、「疾患特異的マクロファージ」の概念が提唱され、マクロファージは多種多様であり、疾患発症に決定的な役割を果たす少数の亜集団が存在する可能性が指摘されている。最近では、Single-cell RNA sequencing解析の結果から、肥満による脂肪組織や肝臓での病態進行に特異的に関わるマクロファージの亜集団として、TREM2陽性マクロファージが注目されている。DAP12を高発現するマクロファージは、脂肪組織と肝臓における炎症慢性化の起点となる微小環境に集積している点がユニークであり、本研究成果は、将来的に位置情報や細胞内代謝に基づくマクロファージサブタイプの提案につながると期待される。
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