研究課題/領域番号 |
22K16411
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 隆亮 京都大学, 医学研究科, 助教 (50904017)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 小胞体ストレス / 糖尿病 / 膵β細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
成体の膵β細胞増殖におけるATF6を中心とした小胞体ストレス応答関連因子の役割を解明するとともに、生体膵β細胞量に与えうる影響を検討する。単一細胞RNAシークエンス解析データを基に、膵β細胞特異的KOマウスを用い、膵β細胞増殖誘導モデルである膵部分切除、及び、インスリン受容体ブロッカー投与における成体での膵β細胞増殖への影響を解析することで、複数モデルに共通する、小胞体ストレス応答を介した成体の膵β細胞増殖誘導分子機構を解明する。また、膵β細胞特異的KOマウスの膵β細胞量変化を縦断的に評価し、ATF6を介する小胞体ストレス応答経路が最終的な生体膵β細胞量に与える影響とその分子機構を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、膵β細胞増殖におけるATF6を中心としたERストレス応答関連因子の役割を解明するとともに、生体膵β細胞量に与えうる影響を明らかにすることを目的とする。これまで、膵部分切除の他に、高濃度グルコース条件下で培養した単離膵島ではATF6の活性化、BrdU陽性細胞の増加が報告されているが、膵島単位でない膵β細胞特異的な解析はほとんど行われておらず、ATF6の膵β細胞増殖誘導における役割を解明するためには膵β細胞特異的な実験系を用いる必要があった。申請者は膵β細胞単一細胞RNAシークエンスデータを基に、膵β細胞特異的ATF6αノックアウトマウス(Rip-Cre; ATF6α floxed)を作成した。この膵β細胞特異的ATF6αノックアウトマウスは明らかな異常を認めずに出生・成長し、通常食摂餌下ではコントロールマウスに比し、体重や随時血糖、グルコース負荷による耐糖能に有意な差を認めなかった。また、膵病理における評価においても、インスリン免疫染色評価に基づく膵β細胞量、ならびに膵β細胞におけるBrdU陽性細胞率やTUNEL陽性細胞率にも2群間で有意な差を認めなかった。このため、膵β細胞特異的ATF6αノックアウトマウスは、通常食摂餌下では、膵β細胞の増殖やアポトーシスに大きな影響を認めず、膵β細胞量に影響を及ぼさないものと考えられた。今後、ATF6αの成体膵β細胞増殖に対する役割を明らかにするために各種膵β細胞増殖誘導モデルでの膵β細胞増殖率の評価、ならびに、ERストレス応答因子であるATF6αの膵β細胞量保護への寄与を明らかにするため、高脂肪食摂餌下での膵β細胞量についての評価を行う予定である。
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