研究課題/領域番号 |
22K16430
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
武井 暁一 自治医科大学, 医学部, 講師 (20721575)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | インスリン抵抗性 / 肥満 / コレステロール合成経路 / 糖尿病 / マクロファージ / 脂肪肝 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満人口の増加に伴い、糖尿病や脂肪肝を有する患者も増加している。また肥満ではマクロファージが糖尿病や脂肪肝の発症に影響することが知られている。マウスの肥満モデルにおいて、マクロファージのコレステロール合成経路を遺伝的に抑制すると、マクロファージの遊走能が低下し、糖代謝や脂肪肝が改善することを、申請者らは明らかにした。そこで、本研究では、コレステロール合成経路の抑制によるマクロファージ遊走能低下作用や、糖代謝と脂肪肝との改善作用の分子機序の解明を目指す。それらの知見を基に、糖尿病発症予防の開発や新しい治療標的の開発につなげたい。
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研究実績の概要 |
Cre-loxPシステムを用いて、骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスを作製した。通常食で飼育した8週齢では、コントロールと比較し体重および空腹時血糖に差はなかった。食餌誘導性肥満(diet-induced obesity:DIO)とするため、高脂肪食で8週齢から14週間にわたり高脂肪食で飼育した。通常食群と比較し、高脂肪食群では有意な体重増加を認めた。高脂肪食飼育下において、骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスは、コントロールと比較し体重推移に差はなかった。また、空腹時血糖にも差はなかった。骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスは、コントロールと比較し、ブドウ糖負荷試験を施行したが、2群間の血糖推移に差はなかった。さらに、骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスはコントロールと比較し、インスリン負荷試験を施行したが、2群間の血糖推移に差はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
診療業務、医局関連業務により研究可能な時間は確保困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
① ステロール経路の寄与の評価:骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスのDIOにおけるインスリン抵抗性を調べる。さらに脂肪組織へのマクロファージ集積、脂肪肝を解析しM-KOマウスで認めた表現型と比較する。 ② マクロファージの遊走能の解析:コントロール、M-KOマウスおよび骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスから、チオグリコレートを注入後に回収されるチオグリコレート誘導性マクロファージ、骨髄由来マクロファージ、精巣上体脂肪組織から磁性ビーズで回収される脂肪組織マクロファージのそれぞれ3種類のマクロファージを調整する。細胞遊走に関わる蛋白のイソプレニル化の解析や脂質ラフトの解析を検討している。 ③ 脂肪肝改善作用の解析:脂肪肝の形成に関連する遺伝子発現をRT-qPCRで評価する。肝臓全体での遺伝子発現に変化がみられる場合、肝臓をコラゲナーゼ処理し、実質細胞と非実質細胞に分離し、遺伝子発現を調べることでどちらの細胞群の変化なのかを調べる。さらに非実質細胞群から磁性ビーズを用いて、肝臓マクロファージであるKupffer 細胞を単離する。さらに肝細胞とKupffer 細胞の共培養方法の確立を目指す。そして骨髄細胞特異的Hmgcr欠損マウス由来のKupffer細胞が肝細胞の脂質代謝にどう影響するか、脂肪酸合成、脂肪分解、β酸化、リポ蛋白分泌に関する遺伝子発現を調べる。
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