研究課題/領域番号 |
22K16433
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
竹田 裕介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90899238)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 肥満症 / Rho-kinase / 脂肪細胞 / ROCK2 / 血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満は2型糖尿病の発症や糖尿病血管合併症進展の基盤病態である。低分子量GTP結合蛋白質Rhoと、その下流分子Rho-kinase(ROCK)は、血管内皮や脂肪組織における炎症を制御する。血管内皮における炎症は脂肪組織の炎症を引き起こし、代謝異常症の発症に繋がる。ROCKのアイソフォームのうち、ROCK2は血管内皮に高度に発現し、局所の炎症を引き起こす。本研究は、肥満症における血管内皮ROCK2の病的意義を解明し、治療的応用を検討する事を目的とする。独自に作製した血管内皮特異的ROCK2欠損マウスおよび肥満モデルの表現型と分子機序を解析し、ROCK2の病態意義を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
低分子量G蛋白Rhoのエフェクター分子であるRho-kinase(ROCK)にはROCK1、ROCK2という二つのアイソフォームが存在する。ROCKは、血管内皮や脂肪組織における炎症を制御することが示唆されている。近年、血管内皮における炎症が脂肪組織の炎症を引き起こし、代謝異常症の発症に繋がることが注目されている。 ROCK2は血管内皮に高度に発現し、局所の炎症を引き起こすことが明らかになっているが、このROCK2の生態における役割を解明するため、我々が独自に樹立したROCK2 floxマウスと、血管内皮特異的にCre recombinaseを発現するVE-cadherin Creマウスを交配し、血管内皮特異的ROCK2欠損マウス(ER2KO)を作製した。ER2KOはメンデルの法則に従って出生し、成長発達過程に異常は認められないが、脂肪細胞の重量や白色脂肪細胞における褐色化マーカーの発現レベルに変化を認めており、この意義を解明すべく検討を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ROCK2 floxマウスと、血管内皮特異的にVE-cadherin Creを発現するVE-cadherin Creマウスを交配し、血管内皮特異的ROCK2欠損マウス(ER2KO)の作製、維持に成功している。ER2KOの表現型解析もおおむね予定通りに進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
血管内皮特異的ROCK2欠損マウス(ER2KO)の脂肪細胞の形態を観察し、ROCK2欠損によって生じる表現型解析をさらに進める。具体的には、白色脂肪細胞(内臓脂肪)だけでなく、皮下脂肪や褐色脂肪細胞においても、褐色化マーカーの発現レベルや脂肪細胞のサイズの解析を行う。 次に、脂肪細胞におけるROCK2と褐色化の間に介在する詳細なシグナルを明らかにするために、vitroにおける解析も行う予定である。すなわち、ROCK2遺伝子をノックダウンしたヒト脂肪組織微小血管内皮細胞(HAMEC)の培養液(conditioned medium)を用いて脂肪細胞を培養し、回収した細胞における褐色化マーカーの発現レベルを検討する。さらに、このconditioned mediumを試料として、LC-MS法にてタンパクの網羅的な定量・同定を行う予定である。
|